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【武相】豊田圭史監督|グラウンドの中では「昭和」、外では「令和」

2025.3.1

挨拶の練習から全員で取り組む昭和スタイル



近年は選手の自主性を重んじて全員が同じことをやるということに否定的な意見もあるが、豊田監督はあえて全員で決められたことに取り組むことを重視しているという。それにはこのような狙いがあるそうだ。

「挨拶の練習から全員で取り組みますし、練習でも1人でも手を抜いている選手がいたら全員でやり直します。ある意味、自主性ということがよく言われる今の時代には少ないスタイルだと思います。中学時代から技術もあって、能力も高くて、野球もよく知っている選手の集まりであれば、そこまでやらなくて良いのかもしれませんが、うちはそうではありませんから。だから全員で同じ方向を向くということをやりながらも、細かいプレーの部分も当然全員で学ぶようにしています。なぜ全力疾走するのか、なぜこういう連係プレーをするのか、そういうところも徹底してやります。チームによって色んなスタイルがあって良いと思いますし、うちはこういうスタイルだというのを選手に知ってもらうのも重要です。プレーもそうですし、スタンドの応援でも絶対に手を抜かないようにということは徹底して言っています。よく『どんな練習をしているんですか?』と聞きに来る指導者の方もいますけど、チームによって選手も環境も違うわけですから、他のチームを参考にするよりも、自分たちのチームに合ったスタイルを見つけていくことの方が大事だと思っています」
 
取材当日もグラウンドからは良い意味で緊張感が漂っており、すれ違う選手たちの全力の挨拶も強く印象に残った。これも豊田監督が就任してから築かれた武相のスタイルと言えるだろう。新しい監督が来て結果を残すとスカウティングに力を入れているという話題になることが多いが、豊田監督は「チームの練習がある時にスカウティングで欠席するということは絶対にしていません。今いる選手を常に最優先にしていますから」という。そんな取り組みで結果が出たことで、逆に力のある選手も武相を希望してくれるケースが出てきたそうだ。


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