トレーニング

最大並進運動のカギは軸足の使い方にあり|140キロ投手育成論(2)

2023.9.8

投球障害の予防にもつながる「連動性」

さきほど、「連動性」というキーワードを用いたが、本書の中で何度か出てくるのでその意味を説明しておきたい。
大人の身体にはおよそ200個の骨、約265箇所の関節、そして関節をまたぐように600個ほどの筋肉がある。自分の意思で動かせる随意筋もあれば、臓器のように無意識に動く不随意筋もある。
では、みなさんは、どれだけの骨、関節、筋肉をスムーズに使えているだろうか?
誰も明確には答えられない質問ではあるが、一流のアスリートになればなるほど、数多くの骨、関節、筋肉を連動させて、高いパフォーマンスを発揮しているのは間違いない。
人間の身体は、末端に行けば行くほど器用に動き、どうしてもそこに頼ろうとしがちだ。ボールを投げることも、肘から先のスナップスローである程度の距離を投げることはできる。しかし、強く速い球を投げるには、身体の中心部から動かさなければいけない。その中心となるのが骨盤であり、股関節となる。
仮に、骨盤の動きが悪い場合、股関節や膝関節、足首に運動制限がかかり、本来持っている柔軟性を生かせなくなることも多い。身体のどこかで“動作不良”が起き、身体の機能が低下してしまう。
それでも、人間には「代償動作」という素晴らしい機能が備わっていて、骨盤の動きが悪ければ、ほかの関節で何とか代用しようとする。だから、まったく動けなくなるわけではない。しかし、どこかをかばえば、特定の部位に負担がかかりやすくなり、それがケガにつながってしまうリスクが生まれる。

*具体的なトレーニング方法は本書の第二章からご確認頂けます。



書籍情報

著・塚原謙太郎
竹書房
定価1800円+税

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