トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(27)

2015.12.29

 こんにちは。リトルロックハートのコーチ、大友です。
 27回目となるK君のコーチングは、位置エネルギーをテーマに進めていきました。

 位置エネルギーという言葉を聞いたことはありますか?これは投球時の三大エネルギーの一つで、非常に重要な要素となります。位置エネルギーをかんたんにご説明すると、低いところから物を落とした時よりも、高いところから物を落とした時の方が、着地時の衝撃は大きいですよね?これが位置エネルギーの大小ということになります。

 そして投手の場合この位置エネルギーを、非軸脚の振り上げによって生み出していきます。2枚の写真を見比べてみてください。1枚目は右脚が高く振り上げられていて、2枚目はベルトよりも低い状態です。それぞれの右足部が接地した際、位置エネルギーが大きいのは言うまでもなく1枚目の脚を高く振り上げた形です。

  脚を高く振り上げると大きな位置エネルギーを得られる

  脚をあまり上げないで投げると位置エネルギーを得られず球速がアップしない


投球動作の場合、位置エネルギーは球速に直結します。脚を高く上げるほど位置エネルギーが大きくなり、ボールに込められるエネルギーも増幅され、球速がアップしていきます。しかし2枚目の写真のようにほとんど脚を上げないで投げようとすると位置エネルギーを得られず、ボールに込められるエネルギーも少なくなり、球速が思うようにアップしません。

 なお非軸脚を高く振り上げるという動作は、体全体を使うことにも繋がっていきますので、脚は上げられるだけ高く上げるべきです。中には制球を気にするあまり、あえて脚を高く上げない投手もいますが、制球力が低い投手の場合、非軸脚を上げる高さによって根本的に制球力が改善されることはほとんどありません。制球力を低下させている原因は、他の部分にあるケースの方がはるかに多いのです。

 脚を振り上げるという動作についてもう少し突っ込んだ解説をしておくと、脚を高く上げる動作は腸腰筋群によって行います。そして腸腰筋群は運動能力に直結しますので、例えば運動が苦手な子が腸腰筋群を鍛えると、それだけで運動が少し得意になっていくことが多々あります。わたしがリトルロックハートで指導している選手の中にも、腸腰筋群を鍛えるトレーニングを指導してあげると、それだけで50メートル走のタイムが上がった選手が何人もいます。

 腸腰筋群は運動能力を司る非常に重要な筋肉群です。投球時にしっかりと脚を高く上げるという作業は、自らの運動能力を最大限発揮するためにも重要なことなのです。だからこそわたしはK君にも常々脚は高く振り上げるようにと指導しているわけなのです。




  



PICK UP!

新着情報