トレーニング

脛の痛み(シンスプリント)~身体の使い方編~

2015.12.28
 シンスプリントが起こる原因にはさまざまなものが考えられますが、身体の使い方によっても脛(すね)に負担がかかって痛みを引き起こす場合があります。身体の構造的な問題を見直したり、ランニングフォームを改善したりすることも、シンスプリントの再発予防には不可欠です。

●偏平足を改善しよう
 足の裏にあるいわゆる「土踏まず」のアーチが落ちて、ベタッと地面についている足は偏平足と呼ばれています。足底のアーチは地面からの反力を和らげるクッションの役割を果たしますが、これがうまく機能しない場合は足首や脛、膝、腰などの荷重関節に大きな負担を及ぼします。100円ショップなどに売っている青竹踏みを使って足底筋を適度に刺激したり、ストレッチしたりすることは足底アーチを改善することにつながります。

 ちなみに偏平足といえば運動不足の人、運動が苦手な人にみられると言われていましたが、実はアスリートの中にも偏平足のような足を持つ選手がいます。これはトレーニングなどによってふくらはぎの筋肉が発達し、特に足底筋と呼ばれる筋肉が盛り上がることによって「見かけだけ偏平足」のようになるケースです。

●足指を意識して動かす
 足底アーチを改善することとあわせて行いたいのが足指のトレーニングです。偏平足ではないのにベタベタと足底全体を地面につけて走る「べた足走り」になってしまう選手は、足裏や足指の筋肉のグリップ力が弱いために起こる現象です。足の指でグーパーをする、ジャンケンをするといった指のトレーニングやタオルを足指でたぐり寄せるタオルギャザートレーニングなどを行うと、足底の筋肉が鍛えられて落ち込んでいたアーチの改善につながります。

●足の着き方によっても脛に負担がかかる
 筋力の低い女子選手などによく見られるのが、片足で着地したときに膝が内側に入ってしまう現象です。自分の体重を支えるだけの筋力が不足していると、男子アスリートでもこうした傾向は見られます。膝が内側に入ってしまう着地を繰り返すと、脛に負担がかかるだけではなく膝の靱帯や軟骨組織である半月板を痛めることにもつながります。また走っているときに足が後ろに流れてしまったり、後ろから見て足の裏をみせる走り方、特にハの字型になったりしている選手は自分のランニングフォームを確認して修正することが大切です。

 身体の使い方と並行してシューズを確認することや、硬い路面を長時間、長期間にわたって走りすぎないこと(特に痛みのある状態で)もシンスプリントを予防することにつながります。自分で見たり、他人から見てもらったりしながら、脛の痛みを予防しましょう。

  足の裏を見せてハの字型で走る選手は、脛への負担が増えるとともに力のロスが大きい走り方と言えます



  


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