トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(25)

2015.12.17

 こんにちは。リトルロックハート大友です。
 今回はK君の25回目のコーチングとなります。連載はあっという間に25回目を迎えてしまいましたが、K君に伝えたいことはまだまだたくさんあります。そんな中で今回のテーマは「変化球のリリース」です。

 現在小学生は、野球肘を防ぐという意味合いも含め、試合で変化球を投げることは禁止されています。しかし結論から言ってしまいますが、適切な変化球の投げ方ができていれば、変化球を投げて肘を痛めるリスクは、ストレートを投げて痛めるリスクとほとんど変わらないのです。

  内旋過程でのカーブのリリースポイントはストレートの90°手前

  内旋過程でのボールリリース直後の形


 ではなぜ変化球を投げると肘を痛めてしまうのか?それは腕や手首を捻ることによって、ボールに横回転を与えようとしてしまうためです。つまりボールを握った手を、小指が捕手側を向いていくようにして回してしまう動作です。これは「外旋投げ」となるわけですが、肘の内側を痛めやすくなります。つまり内側側副靱帯という、いわゆる野球肘で痛める典型的な箇所ですね。

 そもそも変化球を禁止して子どもたちの野球肘を防げるのであれば、小学生で野球肘になる子どもたちの人数は、現状よりもはるかに少なくなるはずです。しかし小学生の野球肘は減るどころか、増えているようにも感じられることがあります。

 わたしがコーチングを担当しているある小学生選手のチームも、同学年に投手が6人いて、6人とも肘痛を経験しているという最悪の状況です。これはつまりコーチである大人たちが適切な知識もなく、思い込みだけで投げ方を教えてしまった結果なのです。当野球塾にも肘痛を経験した選手が多く通っていますが、適切な投げ方を身につけられると、皆さん必ず肘痛の改善を実感してくださいます。

 ストレートも変化球も同様に、本来は肩関節の内旋過程においてボールリリースを迎える必要があります。これができることにより、初めて内側側副靱帯に多大な負荷をかけることのない良い投げ方ができるようになります。そして内旋過程でボールをリリースしていくためには、トップポジションで肩関節を外旋しておく必要があります。

 すごくシンプルに言ってしまえば、実は適切なトップポジションさえ作れれば、肩肘に大きな負荷がかかることなく質の良いボールを投げられるようになるのです。そしてK君も今現在、内旋過程でスライダーやシンカーを投げる練習を行っています。読者の皆さんもぜひK君同様、内旋過程でストレートや変化球を投げられるようになってくださいね。





  



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