春季千葉大会をバネに強くなりたい
5月に行われた春季大会では、3回戦敗退にとどまった。2回戦では5回コールドの快勝を収めていただけに、選手たちには悔しい思いも残った。その悔しさをバネに、夏に向けての活力にしたい。好調をキープすることの難しさを学ぶ
春季大会の初戦では、市立松戸高校と対戦。3年の梅澤がキレのあるストレートを中心に5回を2失点と好投したほか、攻撃ではクリーンアップが快音を響かせ、4回までに12得点のコールドゲームとした。選手たちからはホッとした笑顔も見られ、保護者も「やはり今年は期待できそうです」と、選手たちの雄姿に夏への想いを膨らませていた。
しかし、強いチームの条件である「いい状態をキープすること」はカンタンではない。3回戦は先日調子のよかったクリーンアップにいまひとつキレがない。エースの重安が登板し、得意のスライダーで打者を翻弄し、1試合を一人で投げ抜くも、打線の援護が得られず2-3で惜敗。投手、打線、どちらか一方だけの調子がよくても勝利にはつながらない。チーム全体の調子を上げることがいかに重要なのかあらためて感じさせる結果だった。
なりふり構わず短期間で弱みをつぶす
2回戦はコールド勝ちしていただけに、選手たちには「もっとできたはずだ」という気持ちが残った。春季大会で浮き彫りになったチームの課題を克服すべく、学校にやってくる野球指導者やトレーナーに我先に教えを乞おうとする積極的な姿が見られた。
柳田監督は「調子がいい、悪いはもちろんありますが、『悪いとき』を一つずつなくしていき、前を向いていきたい。悔しいという思いの上に強さがあることを選手たちには知ってほしい」と語る。
監督の想いを背に受けて選手それぞれが自分の武器を磨き、アツい夏に備えている。
Key Player
約70名という大所帯をひとつにまとめるキャプテンは、ケガに苦しみながらも前を向き奮闘中。クリーンナップとして活躍が期待されるチームのムードメーカーは、どんなときでも声かけでナインを鼓舞する。チーム上昇のカギを握る2人にフォーカスした。
「長期離脱中でもチームをバックアップ!」
「公立高校で甲子園を目指したい」という沖﨑キャプテンは、チームの精神的支柱だ。打撃力と俊敏な守備力を兼ね揃え、プレーの面でも中心的存在を担っていたところ、2年生の秋に肩を負傷。長期の戦線離脱を余儀なくされた。
繰り返す脱臼に苦しみ、今年の冬には手術も経験。春季大会はベンチ入りを果たすも守備につけるのは夏の大会直前の予定だ。ベンチに座っている時は選手一人ひとりの特徴をよく観察し、個々に伝えた。
「最後の夏は、万全の調子で迎えたい。今年はいいところまで行けるチームに仕上がっています」と語るなど、チームを第一に考えるキャプテンシーがうかがえた。
「声出しだけはスランプがありません!」
練習中や試合中、たびたびベンチや観客席からクスクスと笑い声が起きる。その先にいるのは、チームのムードメーカー、正部だ。「あいつは常にしゃべってますよ」という柳田監督。
チームが不利な状況に陥っているときは選手を鼓舞するより一層大きな声がグラウンド中に響き、点差が開いていても、正部の声かけ一つでチームの雰囲気がガラリと変わる様子が分かる。
「いついかなる時も声を出し続けることで、チームの士気を奮い立たせることを意識しています。これまで声出しだけはスランプがありません! これからも声を出しを続けます!」と笑顔を見せる。プレーはもちろん、声出しの様子にも注目だ。