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【少年野球指導者のひとり言】バント練習で

2015.11.28
チームの練習ででバントおよびバントシフトの練習をやりました。走者2塁の想定でランナーを置いたシーンで、ある選手が際どい球を見逃しました。判定はボール。
そこでプレーを止めて、選手に声をかけました。

私「何で今の球を見逃したの?」
打者「ボールだと思ったので。」

間違いでは無い様に感じるかも知れませんが、これは間違いです。

2塁ランナーは進塁のために「リードオフ」を行ないます。ましてや2塁ランナーの場合、投球コースが見えるためストライクゾーン近くの球は進塁確率を高めるために、大きくリードオフを取ります。ここではボール1〜2個くらい外れている範囲であれば、バントを実行しなければなりません。そこでこんな話をしました。

「走者はキミを信頼して『バントを決めてくれる』と思ってリードオフを取る。野球が個人種目であればボール球を見送ったキミの判断は正しいが、野球は団体競技だ。このシーンで一番大切なことは走者を活かすことだ。キミは仲間の信頼に応えるためにも多少のボール球はバントしないといけないよ。まだファールにする方が良い。」

ストライクバントのシーンで際どいボール球に手を出してファールになった時、指導者の主観で「ボール球に手を出すな」という叱責をする指導者が居ますが、私は叱る必要はないと思います。
『ファール』というのは少なくとも最悪のケースは回避できています。このシーンで最も反省を促すべきは、失敗を恐れて際どい球に手を出さず、大切な仲間を危険に晒すことだと思います。

※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。


著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


  


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