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【少年野球指導者のひとり言】アイシングの落とし穴

2015.10.21
最近、アイシングに関する質問をよく頂くので、今日はアイシングについて書きたいと思います。

今は、投手を中心に投球後のアイシングを取り入れているチームも多いと思います。アイシングには「炎症を抑える」「疲労回復」のふたつの効果があると言われています。運動をした後の関節は熱を持ちますので、冷却することで炎症を抑え、アイシングによって一時的に血流を抑えることで、アイシング後の反動で血流を促し疲労を回復させます。

ここまで聞くといいことばかりなのですが、アイシングにはリスクもあります。アイシングは一時的に神経が麻痺するくらい急速に冷却するため、関節に痛みがあっても治ったような錯覚を受けるときがあります。その錯覚が故障の発見を遅らせてしまうリスクとなります。

投球練習後はアイシングを行なう前に関節の痛みがないか、確認を行なうことが必要です。
私が見た限りでは、だいたいどこの投手も80球くらい投げると肘が下がってきたり、何かしら投球フォームが崩れてくる傾向が強いです。小学生が7回を完投するとだいたい80〜90球くらいになります。アイシングの前に肩肘を触診して、痛みがないかどうか確認をしてからアイシングを行なうことをお勧めします。

※私は医師ではないので、上記は医学的根拠に基づいた見解ではなく、これまでの自分自身の選手生活と指導者経験に基づく見解です。

あくまでも参考意見としてお取り扱い頂き、子どもが不調を訴えた時は専門医の診察を受けることをお勧めします。


※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。


著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


  


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