トレーニング

ヒッチすると打球の質が大幅に低下してしまいます

2015.10.21

「ヒッチ - hitch」という野球用語を聞いたことがあるでしょうか?一般的にはグリップを上下(主に下がる)させることを指す言葉です。そしてヒッチは、基本的にはマイナス動作となりますので、よほどヒッチしないとタイミングが取れないという打者以外は、ヒッチさせるべきではありません。

 野球用語としてヒッチは「停止動作」を表します。例えばテイクバックして耳の高さまで来たグリップを一度真下に下ろし、そこで停止させてから振り出す動作のことです。一般的に辞書に載っているような「グイッと動かす」「結目」という意味ではありませんのでご注意ください。

 グリップを上方向にヒッチさせる打者はほとんどいませんので、ここではグリップを下げてしまうヒッチに限定して話を進めたいと思います。このようにヒッチをしてしまうとテイクバックで作り出したエネルギーが下方向に使われてしまうため、ボールを打つ際に効率良くエネルギーを使うことができなくなります。その結果ストレートに力負けしてしまいます。

 また、ヒッチをすると悪い形でのアッパースウィングになりやすいんです。悪い形のアッパースウィングとは、上体とバットの関係が90°ではないアッパースウィングのことです。つまり腕とバットだけが下から出ている手打ちのアッパースウィングということです。

 ヒッチからのアッパースウィングだと、投球の軌道を下からすくい上げるような打ち方になってしまうため、アウトになる際の打球の質が低下してしまいます。例えばボテボテのゴロだったり、ポップフライだったり。やはりアウトになるにも、質の良い打球でアウトになった方が次につながるものです。ボテボテのキャッチャーゴロでアウトになるよりは、火の出るようなライナーでアウトになった方が相手投手に与える印象も、自分自身の気の持ち方も変わってきます。

 別当薫選手など、ヒッチしていた名選手もいるわけですが、基本的にはヒッチはすべきではありません。テイクバックでトップを作ったら、そこから投球の軌道に向けて、バットそのものの重さを使いながらバットを振り下ろしていくのが基本的には一番良い打ち方となります。

 なおヒッチしているか否かは、映像で打撃動作をチェックしても非常にわかりにくい場合が多いんです。例えばグリップが下がっていなかったとしても、動作的にヒッチしている場合もあります。この見極めは非常に難しいところでもありますので、コーチがしっかりと選手を観察してあげることが重要になってきます。

 ヒッチしていた打者がヒッチしなくなるだけでも、打球の質がガラリと変わることも少なくありません。ですが山なりのボールを打つことによって、知らないうちにヒッチする癖がついてしまう選手も意外と多いんです。特に大人のコーチが小学生打者のバッティングピッチャーを務める際は要注意です。

 みなさんはヒッチしない良い打撃動作を取れていますか?
 もしヒッチしているようであれば、ぜひこの機会に動作改善を目指してみてください。野球塾リトルロックハートのスラッガー養成コースがオススメです。




  



PICK UP!

新着情報