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【フライを捕球する際の約束事】島根県選抜の取り組み

2015.9.29

■島根県選抜の取り組み
 9月20日から3日間、千葉県成田市を中心に「第10回U15全国KWB野球秋季大会」が行われ、埼玉スーパースターズ(県選抜)が3年ぶり2度目の優勝を飾った。
 使用球はKWBボール(旧通称:Kボール)。素材は軟式と同じゴム製だが、重さ・大きさは硬球と同じで、軟式と硬式をつなぐためのボールとして2000年に誕生した。今大会には中学校の野球部や地域の軟式クラブチームでプレーする選手が出場した。

 大会初出場となったのが、今年初めて県選抜を立ち上げた島根県選抜だ。
 下記ホームページにあるように、県選抜を運営するのはNPO法人の島根ベースボールイノベーション。
「ROAD TO 野球王国 島根を超えろ。」をキャッチフレーズに、県全体のレベルアップを目指している。

・NPO法人 島根ベースボールイノベーション
http://sbi2045.com/

 KWB大会では初戦で千葉ファイターズに1対2で惜敗したが、極端なポジショニングを敷いたり、若いカウントで積極的に盗塁を仕掛けたりと、チームとしてこだわってきた戦い方を見ることができた。
 県選抜のスタッフに入っているのが、ベースボールコーディネーターの和田照茂氏だ。監督を務める若狭彰氏と、大阪体育大学の同級生という縁があり、セレクションの段階からチームに関わっている。
 和田氏は兵庫・高砂市立松陽中(2012年全中3位)や宮城・仙台育英秀光中(2014年全中優勝)などもサポートしており、数々の実績を残している。


■「OK」ではなく「ポジション名」を叫ぶ
 和田氏と試合を見ていると、フライが上がった瞬間にこんな話を教えてくれた。
「いま、フライが上がったときに『ポジション名を叫ぼうキャンペーン』をしているんですよ。でも、これがなかなか広まらなくて…。ほとんどのチームが『OK!』や『オーライ!』と言いますよね」
 少年野球のときから、自分が捕ると決めたフライには『OK!』『オーライ!』の声を出すように教わってきたはずだ。
 しかし、この声かけの場合、内外野の中間にフライが上がったときに、誰が「OK!」を出しているのかわからなくなることがある。

 じつはこの話、6年ほど前に京都産業大の勝村法彦監督からも聞いたことがあった。中学生向けの野球教室のときに、「フライを捕る選手は、自分のポジションを言ったほうがお見合いが減ります」と指導していた。
 たとえば、セカンドとライトの中間のフライ。セカンドが捕る場合は「セカンド!」と自らのポジション名を叫ぶ。周りの選手が「セカンド!」と指示するのは当たり前のことだが、自らがポジション名を口に出すことで、誰が捕るかがより明確になるということだ。

 内外野の間のフライは、ピッチャーからすれば打ち取った当たりだ。これがポテンと間に落ちると、精神的なダメージが大きい。アウトにできる当たりは確実にアウトにする。「声かけ」を工夫することで、お見合いや譲り合いを減らすことができるはずだ。


次回:【フライを捕球する際の約束事】チーム内で約束事を決めておく



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