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【高校球児のための大学野球部ガイド】日体大硬式野球部を紹介!

2019.9.2

一昨年の明治神宮野球大会で37年ぶり、2回目となる優勝を果たした日本体育大(以下日体大)。当時二枚看板を形成していた松本航(西武1位)、東妻勇輔(ロッテ2位)の二人は翌年のドラフト会議で揃って上位指名を受けており、また今年のチームの主戦である北山比呂投手、吉田大喜投手もドラフト候補として注目を集めている。
そんな日体大を指導する古城隆利監督に日体大野球部の指導方針、大学で伸びる選手の特徴などを紹介してもらいました!


古いしきたりにとらわれない「体育会イノベーション」

ーー高校で野球を引退する選手が多いと思いますが、そんな中でも大学で野球を続けようと思っている選手に対して何かアドバイスのようなものはありますか?
古城「基本的には高校野球の延長線上にあるのが大学野球ですから、まずは今やっている高校での野球をしっかり全うしてもらいたいですね。大学野球のために何かというよりも、まずは今やれることをやる。それが大学野球でも生きてくると思います」

ーー高校野球の延長線上にあると仰いましたが、高校野球までとの違いや大学で野球をやるうえで必要な心構えなどはいかがでしょう?
古城「私がよく部員に言っているのはまず明確な目標を持ってやろうということです。学費も寮費も高校までよりかかりますし、それだけ親御さんに負担がかかるわけですから。ただなんとなく好きだから続ける、というだけではなく、大学で野球をすることを通じてその先の人生の糧になるようなものを得てもらいたいですよね。目標については色んなものがあっていいと思います。プロに行きたい、社会人野球に行きたいというのは分かりやすいですよね。ただそれ以外の道に進んだ時でも、大学で野球をやったことが生かせるようにしてもらいたいです」



ーー日体大は野球部員も多くて、リーグ戦に出られる選手も限られています。そんな中でチームとして選手全員が目標意識を持つというのは難しい面もありませんか?
古城「うちは一軍から三軍までありますけど、できるだけチャンスは与えるようにしていますし、良ければ上のチームに上がれるというシステムにはしています。私自身も日体大には一般入試で入って、三軍から二軍、二軍から一軍に上がりました。完全なレギュラーではありませんでしたけど、社会人野球までやらせてもらえた。その経験から色んなことを学びました。だから部内でも育成リーグをしていますし、二軍でも他の大学と試合もします。そういったチャンスをつかんで這い上がってくる努力をすることで、人間的に成長してもらいたいという思いはありますね」



ーー日体大ならではの取り組みも大事にされているそうですね。
古城「指導者になる選手も多いですから、自分たちが日本の野球界の新しい流れを作っていこうという誇りは持ってほしいと思っています。「体育会イノベーション」と呼んでいるんですけど、古いしきたりとしてあった下級生が雑用をするようなやり方は改めて、上級生が請け負ってやるようにした。夏の練習では海外でやっているように短パンとTシャツでやるようにした。そうやって新しいことをどんどんやろうというようにはしています」

ーー「体育会イノベーション」の話は他のインタビューでも拝見しましたが、そうやろうと思われるようになったのは何かきっかけがあったんでしょうか?
古城「今年で監督になって11年で、取り入れたのは7年目の時だったと思います。それまでは時々リーグ戦でも優勝していたんですけど成績がなかなか安定しない。それで優勝した時のチームはどうだったかと考えた時に、上級生にまとまりがあってリーダーシップを発揮していた時だなと思ったんですね。そうじゃない時は4年間で成長していかないといけないのに、下級生の頃は上級生の目があるからしっかりやっていても、上級生になると緩んでしまっていたように見えました。もちろん全員ではなくて一部の部員なんですけど、そういうことがチーム全体に悪影響を与えることはあると思うんです。だから仕組みとして上級生に役割を与えて、そして私やコーチ陣の考えを理解してチーム全体に伝えるようにしようと思って、帝京大学のラグビー部のやり方を参考にさせてもらって取り入れました」


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