100回記念大会となる2018年夏の甲子園。地方大会にも足を運び、試合はもちろん、アルプスの様子や応援にも注目する高校野球大好き芸人のいけだてつやさんに、記念大会に望む球児たちへのエール、そして高校野球の楽しみ方を伺いました。
この夏の大会で注目している高校などはありますか?
「今年もよい選手がいるというのはかなり聞いています。敗退してしまったけど大船渡高校の佐々木くんは甲子園で見たかったですね。2年生ながら150キロ台を投げるんです。
高校ですごいなと思ったのはクラーク記念国際高校。まだ野球部が創設されて間もないのに女性ファンがすごいんです(笑)。しかも特定の選手とかではなく、アイドルでいうところの箱推し! バズーカみたいなレンズで写真を撮っていたり、スコアをつけているんです。こんなファンがつくクラーク記念国際高校は心からすごいと思いました。
あとは千葉ですね。八千代松陰高校の清宮虎多朗くんは、せいみやこたろうと読みます。中央学院高校の大谷拓海くんは、エンゼルスの大谷選手と同じく右投げ左打ちで二刀流! この二名も相当な実力者。いろいろな意味でこれは北海道日本ハムファイターズが放っておかないのではという状況になっていますね(笑)。」
今年100回を迎える甲子園の歴史を振り返ると?
「世代によって強い高校が変わっていくというのは改めて感じています。ずっと強くいるというのは難しいのだなと。僕は熊本で高校野球をやっていたのですが、当時の熊本工業は県内では無双状態でした。ですが今では甲子園から遠ざかっている。いわゆる古豪といわれる高校ですが、熊本工業対松山商業など、今も語り継がれる試合には伝統校の死闘があげられると思います。そして箕島が強かったときはインパクトがありましたよね。元監督の尾藤さんのキャラクターもあると思いますが。このような鮮烈な印象を与えられる公立高校の出現や古豪の復活というのも今後期待したいですね」
最後に第100回大会を戦う球児たちにメッセージをお願いします。
「たまたま今回は100回大会ですが、僕はとにかく球児の皆さんに悔いなく野球をやってもらいたいと思っています。『甲子園を目指せ!古豪復活の道のり』の松山商業のところで書かれていたことですが“残り200日かもしれないが1日が200回という解釈で1日1日を大切にするべき”というのは球児の皆さんにぜひ意識してもらいたいですね。そして卒業後に野球部ほどOB同士で集まる部活は少ないと思います。一生の親友、戦友を作る機会だからこそ、仲間たちと最後まで一生懸命に戦ってほしいと願っています」甲子園を目指せ!古豪復活の道のり
“伝統”と“革新”――甲子園を沸かせた名門硬式野球部の現在地
キーワードは「古豪」。三省堂の大辞林を調べてみると「古豪」とは、長年の経験を積んだ力量のある人、つわもの、ベテランを意味する。高校野球に置き換えてみると、創立から長い歴史のある伝統校で、甲子園大会への出場常連校を指している。
野球留学で全国から有望選手を募りチームを作る私立の「強豪」が甲子園の覇権を握って久しいなか、地元から受験し入部した球児で戦う公立の「古豪」復活を待ち望む高校野球ファンは多い。
本書では、知名度・人気ともに高い公立の甲子園常連校6校(前橋商・横浜商・箕島・広島商・松山商・熊本工)に取材した。