昨年の叡明は、ウエイトトレーニングで肉体を鍛えたことが好結果に結びついたと中村監督は語る。今春の5月には学校内にトレーニングルームが新設され、シンプルなメニューだが、数字にこだわった練習で個々の筋肉量アップを目指している。また、サンドバッグを使った打撃練習、形状の異なるバットでの素振りで攻撃力を強化している。
◆目 次◆
3種目総重量400㎏を目標にするウエイトトレーニング
ベンチプレス・スクワット・デットリフトの3種目を中心に、2日に1回のペースでウエイトトレーニングを行っている。
「やはり遠くに飛ばす力、速い球を投げる力、というのを身につける上で、ウエイトトレーニングは必要不可欠だと思っています。ベンチプレスを100㎏上げられるようになれば、自然と身体つきも変わっていきますね。甲子園に出場する選手たちを見てもユニフォームはパツパツでしょう(笑)」と中村監督は言う。
ベンチプレスは自分のMAX重量の80%を8回3セット、スクワットは80㎏を10回1セット、デッドリフトは60㎏を20回2セットと80㎏を10回1セット。選手たちからは「筋肉がつき、打球のスピードが速くなった」と実感する声が多かった。
サンドバッグ打ちでインパクト力向上
インパクト時に強くボールを叩く感覚を養うため、ボクシングの練習に使われるサンドバッグに向かってバットを打ち込む。
一般的にはタイヤを用いて練習することが多いが、タイヤに向かってスイングをするとバットが跳ね返ってしまうので効果が半減。サンドバッグはしっかりとバットが止まるため、インパクトの瞬間を意識した力強いスイングを習得することができる。
特殊なバットでスイング強化
グリップの太いバットや、長いバットなど形状の違うバットを使って素振りを行う。
グリップの太いバットは握力の強化に繋がり、長いバットは肘の使い方を習得することができ、インサイドアウトのフォームを身に付けることができる。
昨年つかんだ手応えを確実なものにするべく、様々な取り組みで攻撃力のアップを図る叡名高校の打撃練習だった。(取材・撮影:児島由亮)