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【盛岡大付】センバツ初戦で10点取った強力打線!秘訣は冬場のトレーニング

2017.3.24

冬場のグラウンドでウェイトトレーニングを行う盛岡大付属野球部の選手センバツ大会に出場中の盛岡大付属。1回戦で高岡商に10対9で勝利し、25日の第3試合、2回戦で智弁学園と対戦する。そんな盛岡大付属の、雪の多い冬場のトレーニングを紹介します。室内練習場がないこと以外は、ごく普通の冬練習に見えますが、強力打線が生まれたヒントがこの中に隠されています。


【1】けんすい(4種類)

練習の合間に行うけんすいは持ち手を変えた4種類。正しいフォームで行うことで「腕力がつき、肩ヒジのケガが少なくなる」と関口監督。
「昔の子供は川で石を投げたり、木登りをしたり、遊びの中から腕っぷしを強くしていったと思うのですがね…」。右手と左手の持ち手を逆にするなどのバリエーションは、仙台育英・佐々木順一朗監督から教わったそうだ。4種類を10回ずつ行う。

【2】フリー打撃中のベンチプレス

3カ所でのフリーバッティングのローテ―ション中に、ベンチプレス(10回)を行う。この日は50キロを10回ずつ。レギュラークラスの選手は80キロ、100キロを上げる選手もいるそうだ。「パワーをつけないと打球が飛びませんので、打った後にすぐできるようゲージの裏にセットを置いています」(関口監督)。
身体から湯気を出しながら上げる選手もいるほどで、打撃練習中は元気な掛け声が途切れない。「元気、気合を入れるためにもやっています」。関口監督なりの「明るさ注入練習」と言った意図もある。選手に聞くと「自分をしっかりと追い込むことができ、飛距離にも関係してくると思います」。

【3】ピークラン(短距離)

盛岡大付は過度な長距離走は行わない。ラントレーニングは、4週間ローテの「ピークラン」が中心だ。内容は、以下のとおり。

・1週目=800m×3本

・2週目=400m×5本

・3週目=100m×8本

・4週目=オフ(打撃の振り込み重視)

グラウンドが雪で覆われているため、球場横のアスファルトなどを使って短ダッシュを行う。雪がなくても路面が凍っていることが多く、滑らないようバランスを取りながら走るため、体幹が鍛えられていく。
ポール間を使っての中距離走は、800m×3本。踏み固められた雪の上を走る。

11mの近距離から行うフリーバッティング。11〜12月は直球のみ、1月は変化球のみ、2月に入ってからミックスを打ち込む。79人の部員を3班に分けるローテーション式

11mの距離で行う盛岡大付野球部の冬場のバッティング練習

主要な器具がそろっている、ビニールハウス内の筋トレルーム。ベンチプレス以外の筋力トレーニングはここで行う。

ビニールハウス内で行われる盛岡大付の冬場のウエイトトレーニング

盛岡大付の練習は、氷雪をハンデとしない工夫がちりばめられている。11月から2月は守備練習を諦め、打撃練習に集中する。雪の上で4カ月間みっちり振り込みながら、福島・いわき合宿(1月)、静岡・沼津遠征(2月)を行い、土の上での実戦練習でAメンバー35人を絞り込む。そして、3月の沖縄遠征で仕上げを行う。(センバツ出場時は早めのスケジュール)。

室内練習場の導入で、近年は東北地方の高校が甲子園で勝てるようになったと言われているが、室内練習場を持たない中で奮闘を見せている盛岡大付属の取り組みは他校からも注目されている。最近では他県から視察に来る指導者もいるそうだが「『寒くて真似できない』と言って帰っていきます」と関口監督は笑う。

「地元志向」にこだわらず、関東、関西のシニア、ボーイズ出身の選手も多いが「主力ではなかった」という選手も多いそうだ。選手に本音を聞くと「地元にいたら埋もれてしまうから」、「盛岡から甲子園出場を果たしたい」と意気に燃える選手が多い。そういった選手をやる気にさせ、縛り付けない指導で育成する関口監督。練習中は穏やかで、選手と冗談を言い合う光景も見られた。

「標準はあくまでも夏。センバツはベスト8に入れれば」と話していた関口監督。25日の2回戦、智弁学園に勝てば、春夏通じてチーム最高のベスト8入りとなる。(取材・写真/樫本ゆき)


◆盛岡大付属メモ

創立1958年、創部1980年。前身の生活学園高等学校から校名変更された年に、野球が創部。95年夏に甲子園初出場。当時の正捕手だった関口清治氏が東北福祉大を経て、2000年に母校のコーチへ。部長を経て08年9月に監督就任。以来、春3回、夏3回の甲子園出場を果たす。社会科教員。岩手県出身、39歳。主なOBは松本裕樹(ソフトバンク)、山川恵里佳(タレント)ほか。スタッフは沢田真一総監督、松﨑克哉部長、冨田敏春コーチ、増沢洵コーチ。部員数79人。