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「甲子園のスター」牛島和彦氏が語る、ミートバッティングの大切さと対処法

2016.7.4


「タメ」が肝心のミート打法

浪商高校(現・大体大浪商高)時代は「ドカベン」こと故・香川伸行氏とバッテリーを組み、甲子園では79年春に準優勝、79年夏はベスト4に進出した牛島和彦氏。

ドラフト1位で中日ドラゴンズに入団。若くしてチームのクローザーを担い、球界を代表する投手へと成長を遂げた。その後、DH制のあるパ・リーグに移籍したこともあり、プロ野球生活でバッティングの機会はほとんどなかった。

しかし、高校時代はピッチングだけではなく、ミートバッティングにも定評があった。

下半身を先行させて「タメ」を作ることにより、インパクトの瞬間に自然と上半身が出てくるといった、身体にとって無理のないフォームで様々なボールに対応する術を身につけた。(詳しくはTimely!39に掲載)



右打ちの天才はミートに定評あり

けっして大柄とはいえない体格で、幾多の強者と対戦してきた牛島氏だからこそ、ミートバッティングの重要性にも早々に気づき、強いこだわりがある。

ミートバッティングの上手さで牛島氏が挙げたのは現・読売ジャイアンツの一軍内野守備走塁コーチを務める井端弘和氏。現役時代は球界屈指の「右打ち」を武器に、プロ通算1912安打を放った好打者だ。

「ファールを打つテクニックにも優れていたので、投手からすると凄く嫌な打者だったと思います。ムキになってコースを狙うと逆に甘くなってしまい痛打されてしまうし、力で押そうとするとコツンと右打ちされ、投げる側をガックリさせるタイプですね」。


投手目線の対ミートバッティングでは、ミートバッティングが上手い打者に投手はどう立ち向かうべきなのか。

「なにより重要なことは『根負け』しないことですね。絶対抑えてやるぞっと思うと無駄な力が入ってしまい、マイナスな結果に結びつきやすい。ですから、こちらも『ハイハイ、どうぞ打ってください』といった気持ちで投げ続けることが大切です。それは開き直りというのではなく、ある意味『根負け』しないために必要な我慢だと思うんですよ」。

ミートバッティングを身につければ、それだけで相手投手にとっては厄介な選手になることは間違いない。ただ、投げる側からすると、バットに当てられることを恐れていては勝負ができない。

投手と打者、双方の心理戦の結果が白球の行方を左右する。そのために己の能力と共に、揺るぎない自信も身につける必要がある。



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