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筋けいれんは脱水症状の一つ。体液を守るための水分補給とは

2016.6.27
  汗などで流れ出る水分とミネラル分を補給し、脱水を予防しよう


 暑い時期の試合などでは、試合の終盤になるにつれ、脱水症状を起こしたり筋肉がけいれんしたりして、途中で選手が交代してしまう…といった場面に出くわすことがあります。試合時間が長くなるにつれ、運動量とともに発汗量が増え、それに見合った水分やミネラル分がうまく補給できていないときにこうしたことが起こります。脱水とは単なる水不足ではなく、身体の体液が不足することによってミネラル分も不足する状態であることを理解しておきましょう。

 脱水症状が起こると身体にさまざまな不具合が生じます。水分そのものが失われると身体全体を循環する血液量が減るため、必要な栄養素が末梢の細胞まで届かなくなったり、不要な老廃物を代謝して分解する働きが低下したりします。脳への血流が減ってしまうと頭がボーッとした状態となったり、めまいを起こしたりしますし、消化器官への血流が減ってしまうと食欲不振やむかつきなどが起こります。水分とともにミネラル分が失われると体液のバランスが崩れ、神経から筋肉への指令がうまく伝達できなくなり、筋肉がけいれんしたり、しびれや脱力などが起こったりします。

「水が飲みたいと感じる前に水分補給をしよう」と言われるのは、水が飲みたいと感じた時点で軽度の脱水症状を起こしているからと考えられています。脱水症状をチェックする方法としては運動前と運動後の体重を測定し、体重の減少を2%以内に抑えるようにすること。そのためには運動中のこまめな水分補給は欠かせません。その際には体液の成分により近くなるように、水分だけではなくミネラル分も補給するようにしましょう。水分のみを補給し続けると、体液が薄まってしまい、身体が体液の濃度を元の状態に戻そうと水分を排出する動きが加速します。これは自発的脱水と呼ばれ、水分をとっているのに水分を排出し、結果として脱水症状を起こしている状態です。

 日本体育協会では、熱中症予防の水分補給としてスポーツドリンクなどを利用して0.1~0.2%の塩分も同時にとるように奨励しています。また体液の成分に近い経口補水液は、水1リットルに対し、塩分3gと砂糖40gを混ぜて作ることが出来ます。糖質には腸内での水分補給を促す役割があるといわれていますが、糖分を摂取しすぎるとペットボトル症候群(急性糖尿病)の一因となることがありますので、糖質の多い飲み物を習慣的に飲み続けることはなるべく控えるようにしましょう。


  



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