Q2: 2ケタ背番号で活躍できる秘訣は?
明豊高校 野球部監督 川崎絢平
A:ひとつでいいから武器のある選手が必要
控えの選手はレギュラーと違って常に試合に出るわけではないので一芸を求めます。打撃、守備、走塁、それぞれに特長のある選手がいると、ここぞという場面や流れを変えたい時に出したいと思っています。
また、複数のポジションを守れるオールマイティな選手もまた一芸。総合力ではレギュラーが難しいような選手には何か自分の武器を身につけろということをよく言いますね。
プレー以外では、選手の意欲を重視しています。例えばサードコーチャーも自分で積極的にやりたい選手を起用します。サードコーチャーを目指す時点でレギュラーからは外れるわけですから、自分で名乗り出た選手の方が責任感も強くなりますし、チームにとってもプラスになります。
瓊浦高校野球部監督 安野俊一
A:最後の二人は選手同士で選考
毎年、チームの戦力として計算できるのは大体11人か12人。残りのメンバーはプレー以外での貢献を求めます。例えば、ベンチでムードメーカー、伝令でチームを落ちつかせることができるなど。
サードコーチャーは、何に対しても普段からいい意味でしつこさがあって、じーっと相手を観察できるような選手が理想。相手チームの守備力や試合の流れを考えて一瞬で判断しないといけないのでとても重要な役割。
また、県大会の登録は20人なので18番までは部長やコーチと相談しますが、残りの2人は選手たちに決定権を与えています。チームメイトに認められたということで、選ばれた選手も選ばれなかった選手も納得感がありますよね。マネージャーをやっていた男子部員が入ることもありましたよ。
横浜創学館高校野球部監督 森田誠一
A:一芸に秀でたスペシャリストに注目
基本的に実力を重視しますが、力のある選手20人をベンチメンバーに入れても試合に勝てるとは限りません。やはりチームのために動く、ムードメーカーのような選手は絶対に必要。ピンチになったとき、人一倍大きな声を出して盛り立ててくれるような選手はプレーしている仲間を勇気づけてくれます。
チームメートから信頼を得ている選手は心強いですね。走・攻・守のスペシャリストのような一芸に秀でている選手もベンチには必要。その分野ならレギュラーの選手より上手い子もいますし、選手自身そこだけは誰にも負けないと思っているはず。
20人という枠の中でバッテリー、内野手、外野手とポジション別で割合を考えて決めなくてはならないので、レギュラー同様にユーティリティーに動ける選手というのは貴重です。
関西高校野球部監督 江浦滋泰
A:背番号をもらった選手は責任がある
ポジションごとの控えと、選手の役割を考えます。基本にあるのは力勝負。力のある選手を優先的に選んでいきます。また、故障などコンディション面も考慮しなければならず、大会中はリスクマネジメントが大切。
難しいのは下級生の起用ですが、下級生を入れる場合は、中心選手としてゲームで活躍できるだけの絶対的な力が必要。それがなければ、上級生に背番号を渡すようにしています。3年生は、2年半にわたって培ってきたものがあり、それはチームにとって財産ですから。
個々がレベルアップして競争することがチームにとって大切で、良い競争ができたチームは強くなっていくので、背番号をもらった選手ももらえなかった選手も、チームの一員。グラウンドに立つ選手は責任を持ってプレーしなければいけないと思っています。