企画

ストライクが先行すると打率が下がる…初球でストライクを取る重要性とは。第6回レジェンドの投球術

2016.4.11



プロ生活32年間で通算219勝を挙げ、50歳までプロ野球選手として活躍したレジェンド山本昌氏。日本テレビ系『NEWS ZERO』でスポーツコメンテーターのレギュラー出演なども続々と決まり、引退後も多くのメディアの注目の的となっている。そんな山本昌氏初のピッチングバイブル最新刊『ピッチングマニア レジェンドが明かすこだわりの投球術』(学研プラス刊)が全国の書店、ネット書店で発売開始となった。

Timely!WEBでは発売を記念して、特に高校球児や小学生、中学生でもすぐに明日から実践できるポイントをピックアップ。
短期連載第6回は「ストライク先行で勝利に近づく」。


<連載予定>
第1回(3/28配信)   大きく使って投げる
第2回(3/30配信)   軸足のヒザを意図的に折らない
第3回(4/2配信)    コントロールをつけるのは中指
第4回(4/4配信)    カーブは「空手チョップ」で投げる
第5回(4/6配信)     相手の心臓を狙ってキャッチボール
第6回(4/12配信)    ストライク先行で勝利に近づく
第7回(4/13配信予定) ピッチャーの強さがチームの強さ



何が起こるかわからない初球の怖さ

 少年野球でもメジャーリーグでも、野球にはカウントというものが存在します。カウント0-0から3−2(3ボール2ストライク)まで12種類。
どのカテゴリーでも共通です。そのカウントによって、ピッチャー心理やバッター心理が変わります。

 12種類のカウントの中で、ピッチャーが一番怖いのは0-0、初球です。

 バッターが何を狙っているのかわからない。1球投げれば、バッターの反応から何かしらの狙いは見えるものですが、初球はそうはいきません。プロ野球全体で見ても、初球の打率は3割以上。だからこそ、先に説明したように、ストレートでファウルが取れると、ピッチャー有利に攻めることができるのです。あるいは、緩いカーブでカウントを取れるのも理想的です。

 0-0から、いかに0-1にできるか。1ストライクを取れればボール球を使いながら攻めていくこともできます。
ところが、初球がボールになり、カウント1-0になるとバッターの打率が上がる。さらに2-0になるともっとバッター有利になる。2-1でもまだバッターの方が有利です。

 一方でストライクが先行していくと、打率は下がっていきます。0-2と追い込めば、打率0割台。ヒットが出る確率は、10回に1回もないわけです。
バッターは三振したくないという意識があるため、ピッチャーにとっては狙えるストライクゾーンが広がりやすい。この数字を見えと、3球勝負も大いにありだと思えませんか?


著者プロフィール
山本昌 
神奈川県茅ヶ崎市立松林中学校、日本大学藤沢高校を経て、1983年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。5年目の88年、アメリカへの野球留学で急成長し、同年8月にプロ初勝利を挙げる。以降左の先発投手としてチームを支え、93、94、97年に最多勝。94年には沢村賞も受賞した。2006年9月16日には史上73人目のノーヒットノーランを達成。41歳1ヶ月での達成はプロ野球史上最年長記録だった。15年10月7日、50歳1ヶ月で登板した広島カープ戦をもって現役引退。プロ32年間の通算成績は219勝165敗5セーブ、防御率3.45。
公式ホームページ



『ピッチングマニア レジェンドが明かすこだわりの投球術』
山本昌著
出版社:学研プラス
四六版/233ページ
購入は こちら



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