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【東大和南】荘司元喜|短時間練習で急成長を見せる、都立高に現れたプロ注目スラッガー

2026.4.30

都立高に出現した大型スラッガーが、密かに話題になっている。東大和南の荘司元喜。身長185cm、体重97kgと充実した体躯を誇る右の強打者だ。評判を聞きつけ、プロスカウトが視察に訪れるほどの謎の原石の正体は? 平日練習2時間の環境で急成長を見せる、好素材の実態に迫った。


――現在の高校通算本塁打数を教えてください。

23本です(取材時点)。
 
――それにしても、立派な体格ですね。

高校に入った時点で184cm103kgありました。現在は185cm97kgです。でも、2年前とは中身が全然違います。

――中学時代は筋肉量が多くなかったですか?

脂肪ばかりでした(笑)。中学2年時に腰椎分離症になって運動できず、10kgくらい太って。中学3年時も受験勉強をしていた頃にまた体重が増えてしまいました。高校1年の夏からウエートトレーニングを始めて、今ではだいぶ筋力がついてきました。

――当初は東大和南ではなく、全国制覇経験もある文武両道の強豪私立高を受験するはずだったと聞きました。

「ぜひ受験してほしい」と言っていただいて、中学3年の12月年末までは推薦入試対策に取り組んでいました。ただ、小論文に苦手意識があって……。これでは厳しいかなと思って、受験をあきらめました。ほかの私立高からのお誘いもいただいたんですけど、見学もできていない学校に行くのはなんだか違うかな、と思いました。

――中学時代に所属した福生シニアは、東京の強豪チームとして知られています。荘司選手は主力打者だったそうですね。

4番・ファーストで使ってもらっていました。中学2年時には西東京選抜に選んでもらいました。

――強豪から声のかかるほどの有望選手でしたが、結果的に2学年上の兄・開喜さんが通っていた都立高の東大和南に進学します。

いい雰囲気で野球をやっていることは知っていましたし、都内ではそこそこ強くもありました。ここなら自分もしっかりと野球ができるかなと思いました。

――実際に東大和南に入学して、どう感じましたか?

練習量がすごく短いなと(平日の練習時間は約2時間)。ただ、その分、工夫して野球をやっている印象でした。合間の時間を詰めるとか、少ない本数のメニューでも質を高める意識を持っている選手がうまくなると感じます。

――1年秋には西悠介監督が就任。早稲田実出身の西監督が、根鈴雄次さん(元エクスポズ3A)、内田聖人さん(元JX-ENEOS)、山縣有輔さん(元かずさマジック)など、さまざまな指導者を呼んできてくれるそうですね。

自分が持っていなかった技術や知識を教えてもらえるので、感謝しています。

――高校で捕手に取り組み始めたそうですが、強豪社会人で捕手経験のある山縣さんの教えは響いたのではないですか?
 
はい、すごく勉強になっています。自分は小学生の時に少し捕手経験があったくらいで、高校で捕手を始めた当初はなかなかうまくいきませんでした。でも、山縣さんから構え方を教わって、すごく動きやすくなりました。

――どう変わったのですか?

今までの自分は「力感なく構えよう」という考えだけでやっていたのですが、山縣さんに腹筋から下あたりを意識するようアドバイスをいただいて、今までにない感覚が生まれました。ヘソの下あたりが熱くなるような感じで、ブロッキング動作に移りやすくなりました。今は意識しないとできないので、無意識レベルでできるようになっていきたいです。

――根鈴さんはプロ野球選手も師事するほどの打撃指導者です。荘司選手はどう感じましたか?

高校1年の冬から「縦振り」を意識し始めて、実際に根鈴さんに教わるなかで曖昧だった部分が明確になりました。それまでの自分は「縦振り=アッパースイングのイメージだったのですが、そうではありませんでした。バットのヘッドがボールの下に入って、すくい上げるような形では打てません。バットの面をずっとボールに向け続ける意識を持つようになってから、ミート率が上がってきました。



――先ほどウエートトレーニングに取り組んでいる話がありましたが、数値はどのくらい変わっているのでしょうか?

BIG3(ベンチプレス、デッドリフト、スクワット)を中心にやっています。高校1年時はベンチプレスが45kg(10回)、デッドリフト90kg(10回)、スクワット90kg(10回)の重量だったのですが、今ではベンチプレス100kg(10回)、デッドリフト190kg(10回)、スクワット170kg(10回)に上がっています。

――2倍前後に上がっているのですね。野球のパフォーマンスも変わってきたのではないですか?

今まではバットの芯からズレると外野フライだったのが、今ではホームランになってきました。紅白戦ではミート重視のスイングでもホームランが出て、自分のなかに新しい感覚が生まれました。

――チームとしての目標はありますか。

甲子園で1勝を挙げることです。今まで甲子園に出た都立高で、勝利したチームはありません。自分たちにとっては、誰も成しえていないことに挑戦できるのは、やりがいがあります。

――昨夏の西東京大会では、ベスト16となる5回戦に進出。ただし、結果的に甲子園で準優勝することになる日大三に3対13(5回コールド)で大敗しました。

今まで戦ってきたなかで一番強い相手でしたし、自分たちも部員全員が「甲子園で1勝する」という意識が足りていないと実感しました。

――「目指せ甲子園」と言いながらも、漠然と練習している高校も多い印象です。
 
全員が本気で甲子園を目指して、臨場感を持って毎日取り組めるかが大事だと感じました。日大三に負けて、「あそこに勝てないと甲子園には行けない」と目標が明確に定まりました。

――今後の希望進路は?

大学で野球を続けて、結果を残して社会人やプロと上を目指して頑張りたいです。志望校はまだ決まっていませんが、西先生と相談して自分に合ったところを見つけたいと思います。

(取材:菊地高弘/写真:編集部)

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