トレーニング

誰のうちにでもある “アレ”で守備力向上

2016.2.4

◆投手のフィールディング

投手というのは9人目の野手と言われている。打者に向かって投球するだけが投手の仕事ではなく、打球が飛んできたら捕球して送球するし、あるいはカバーリングに走ることもある。後ろを守っている野手と同じ動きをするのである。
特に投手はバント処理など、一点を争う場面や試合を左右する守備機会に携わることが多い。だが、そこでランナーをアウトにすることができたら相手のチャンスを潰すビッグプレーと成り得るのだ。


◆スリッパ捕球練習

Timely!37で埼玉西武ライオンズの牧田和久投手を取材した際に、自身の高校時代のエピソードを交えながら、フィールディングについて話をしてくれた。「僕は高校時代、守備が本当に下手だったんです。だから、とにかく基礎練習を飽きるくらいやっていました。」意外な答えだったので、今でも鮮明に覚えている。

何を隠そう牧田投手はプロ野球界でも屈指のフィールディングの持ち主である。バント処理の際にはボールを素早く捕球し、ランナーをアウトにする光景を私は何度も見てきた。牧田投手は、学生時代にスリッパを使ったユニークな練習でフィールディングが上達したらしい。

やり方としては、足を入れるところにグラブ側の手を入れ、スリッパの裏面にボール当て捕球するだけ。しかし、このスリッパ捕球練習にはどのような効果があるのだろうか。

スリッパで捕球をするとなると裏面の平らな部分をしっかりと正面に向け、スリッパを立てないとボールが面に当たらない。さらに、素早く利き腕でボールを握り変えないとボールが落ちてしまう。

 このスリッパ練習をすると、グローブをしっかり立てて芯で捕球することに繋がり、握り変えも抜群に速くなる。

野球というのは1秒、いや0.1秒を競う世界であり、一瞬の判断がモノを言う。ピンチをチャンスに変えるワンプレーでチームを勝利に導くのだ。そんな意識を持って、スリッパ捕球練習を守備練習に取り入れてみてはどうだろうか。


 



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