人間が本来もっている体の機能に則した形で行うというファンクショナルトレーニング。
ファンクショナルトレーニングの知識・技術を提供しているパフォームベタージャパン監修の元、
R-body projectの今村龍之トレーナーをタイムリー編集部が直撃した。
パフォーマンスを上げるにはまず身体を正しく使えないと意味がない
1月から3月までのオフシーズン、ウェイトトレーニング中心のメニューを実践している選手は多いだろう。自らのパフォーマンスをより上げていくためには、今村さん曰く「自分の体を正しく使うということが必要」だという。
まずは右の図を見てほしい。これはトレーニングにおけるパフォーマンスピラミッドだ。上部にある、スキルというのはコーチから習う打つ、投げる、捕るなどの技術。スキルアップをするためにはその下に位置するパフォーマンスをより高めていこうと、近年この部分が注目されることが多かった。
しかし、筋力やパワーをガンガン鍛えても、正しい動きで行わなければその効果は薄くなってしまう。そうした中でより重要視されるようになってきたのが、パフォーマンスを支える土台、ムーブメント。体を正しく使える動きや動作のことを表し、この部分を重点的に鍛えることでよりパフォーマンスを高めていこう、というのがこのファンクショナルトレーニングの狙いである。
球児の中には、筋力やパワー重視でトレーニングしている人はいないだろうか? いつのまにか体のどこかの部分に負荷がかかってしまい、疲労物質が溜まり、やがてケガをする恐れもある。
この冬のオフシーズンで、一回りも二回りもパフォーマンスアップを目指す人は、今回紹介するムーブメントを鍛えるエクササイズをぜひ取り入れてみよう。
TRAINING 1
肩の関節、胸椎の動きをよくするストレッチ
野球選手に意外に多い猫背を治すストレッチだ。猫背のままで体をひねろうとした場合、腰に負担がかかってしまい、腰痛になる事があるという。その猫背を起こすために、胸椎をそらすエクササイズだ。おしりをかかとにくっつけて、腰を丸めて、その状態で手を前方へスライド。3秒間止める。これを10セットおこなう。
TRAINING 2
バランストレーニング①(前面)
野球では、投げるときに肩の関節や股関節が動いていないと腰を反ってしまい、手投げになってしまうことがある。それを改善するためのトレーニング。腕をまっすぐ伸ばし(伸ばしやすくするためバットやタオルなどを持つ)軸足の膝を曲げ股関節をまっすぐ伸ばす。
TRAINING 3
バランストレーニング②(後面)
投げたあと、捕球時などに股関節をたたむ動作が多い野球。これがうまくたためず、膝が前に出てしまうと膝を痛めてしまうことがある。これはおしりの筋肉を効果的に使ってパワーを引き出すためのエクササイズ。左足で立つ場合は右手でダンベルを持って姿勢を良くしてキープしていく。
TRAINING 4
股関節の回旋筋を鍛えるトレーニング
ミニバンドを使って、股関節の回旋筋を鍛えるトレーニング。つま先、膝、顔を一直線にして正しいスクワットの姿勢で行うことが大事。
R-body Project
コンディショニングトレーナー
今村 龍之
いまむらたつゆき/現在、横河電機ラグビー部トレーナー、東京スポーツ・レクリエーション専門学校非常勤講師などで活躍。R-body projectでは一般の方からオリンピック選手までパーソナルトレーニングを担当する。
PERFORM BETTER JAPAN
競泳の北島康介が代表を務めるパフォームベタージャパンは、ファンクショナルトレーニングをはじめ、スポーツパフォーマンスの向上の為に必要な最先端の知識と用具を提供し、トレーニングのエキスパートとしての地位を築いている。
PERFORM BETTER JAPAN