トレーニング

疲労骨折に気をつけよう

2016.1.8

 ランニング量やジャンプ動作などのトレーニング量が極端に増えると骨に慢性的な痛みを生じることがあります。これは骨の同じ部位に外力(=外からの衝撃)が繰り返し加わることによって骨膜に炎症を起こし、さらに外力が加わり続けると骨の連続性が断たれて亀裂を生じるようになります。これが疲労骨折と呼ばれる状態です。疲労が原因となって起こるものというよりは、繰り返される外力が原因であり、針金を毎回同じところで折り曲げているとやがては折れてしまうように、使いすぎによる「金属疲労」が疲労骨折の語源といわれています。下腿の脛骨(けいこつ)や腓骨(ひこつ)、足の甲の骨である中足骨(ちゅうそっこつ)や舟状骨(しゅうじょうこつ)などによく見られますが、まれにバッティングのスイングを繰り返し行うことで肋骨に疲労骨折を起こすこともあります。

 疲労骨折は一日にして起こるものではなく、長い期間をかけて少しずつ進行していく慢性的なスポーツ障害です。よく見られる症状には運動痛と圧痛(押すと痛みが出る)があり、場合によっては痛みのある部分が腫れていたり、少しふくらんでいたりすることがあります。そして疲労骨折の厄介なところは「痛いけれど練習できる」という点でしょう。最初のうちは練習を始めて負荷がかかると痛みが生じるようになり、練習が終わると軽くなることが多いといわれています。この状態のまま痛みを我慢して練習を続けていると、やがては練習後にも痛みが続くようになり、しばらくすると練習前から練習後までずっと痛みがあるという状態になってしまいます。練習が十分にできなくなった時点で病院に行くと、実は疲労骨折だったということがわかるかもしれません。身体を動かしているときに関節以外の部位に痛みを感じる場合には疲労骨折を考える必要があるでしょう。

 疲労骨折の場合、まず原因を取り除くことから始める必要があります。すなわち繰り返し加わる外力を軽減させるということです。同じ動作を繰り返して痛みを生じたのであれば、その動作を一定期間(軽度であれば1~2ヶ月程度)行わないようにすると、しだいに痛みは軽減されていくことが多いようです。しかし再び同じ部位に外力が繰り返し加わると再発することも多いため、練習が単調にならないようにランニング、トレーニングに変化をもたせることが大切です。また身体の使い方やフォーム、練習環境、練習量などによっても疲労骨折を生じる場合がありますので、こうした要因を一つずつチェックすることも必要となるでしょう。

  練習環境に変化をもたせることも疲労骨折を防ぐ一つの方法です




  



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