トレーニング

【スローイング上達】ボールの回転と方向を決める「指先力」のトレーニング

2021.4.14

スローイングにおいてトップ選手がみな重要と口を揃える「指先力」。ここではその「指先力」を高める2つのトレーニング方法と自分のパワーポジションを判別するための方法を紹介しよう。


「差し込みトス」と「アイハンドコーディネーション」に挑戦!

ボールの回転と方向を決める「指先力」を上げるには、3つのステップがある。1つ目は、指先力をボールのリリースに最大限に生かす「差し込み」。2つ目はしなやかな腕のスイングにつながる「しなり」。3つ目は前鋸筋を意識して使うことが必要になる「つながり」だ。

3ステップには、それぞれ練習方法があるが、今回は「差し込み」に注目してみよう。差し込みは、手首・前腕のパワーポジションがパラレルかクロスかでアプローチが異なる。パラレルは前腕に対して手首を平行にすると安定するタイプ。ピッチャーの場合、投球のトップの時に、ボールがキャッチャー方向を向く感覚になる。クロスの人は手首を起こす感覚が大切になってくる。ピッチャーの場合、トップの時にボールがセカンドベース方向を向く感覚になる。

君はパラレル? それともクロス?







自分がパラレルかクロスかは、パートナーに手伝ってもらい、パラレルの状態で引っ張ってもらうのと、クロスの状態で引っ張ってもらうのと、どちらが安定するかで知ることができる。自分のパワーポジションでないとよろけてしまうが、パワーポジションだと手首・体幹・足までがつながり、全身が1つになった感覚で力強く立つことができる。パートナーは相手の手首を掴むのだが、強く握るのではなく、中指と薬指を手首にかける感じで軽く握る。最初は優しく5カウントかけて徐々に力を強めて引っ張ろう。

パワーポジションの判別方法



自分の手首・前腕のパワーポジションがわかったら、手のひら大のボールを使って早速「差し込みトス」の練習だ。パラレルの人は前腕の橈骨と尺骨が平行になり、手首を縦に使う関係になるので「中指」とのつながりが大事になる。投球時は中指を根元から折りたたむようにして、指先の力を伝えよう。

クロスの人は橈骨と尺骨が交差し、手首を立たせて使うので「人差し指」を根元から折りたたむようにして、ボールの縫い目に指先の力を伝える。この指先の力を「差し込む」イメージで行うことで、ボールのすっぽ抜けを防ぐことができる。

ここで重要なのは、手首を使わないように注意すること。差し込みトスは手首のスナップのトレーニングではない。指先の力を効果的に上げるために、指を構成する骨の根元から使うことがポイントになる。シンプルに指を根元から折ることを意識することで、ボールに指先の力が伝わる感覚が身につく(下イラスト赤マーク)。


差し込みトスのやり方









アイハンドコーディネーションのやり方

さらにもう1つ、「アイハンドコーディネーション」というトレーニングを紹介しよう。これは、目の感覚と指先の感覚を合わせて、ボールにしっかりと回転を与え、指先からの方向性をつける練習。「捕る→見る→狙う→投げる」一連の動作を短い時間の中で連続的に行う。スローイングをパワーアップさせたい人は、ぜひトレーニングに取り入れてみよう。

① 捕る

リラックスした状態でボールを柔らかく見つつ、ボールをキャッチする。




② 見る
パラレル、クロス、それぞれの手首・前腕のパワーポジションの形に沿ってボールを握り、目で指先を確認する。




③ 狙う
「②見る」のフェーズで握りをクリアに目で確認する。すかさず投げる方向へ目を移し、ぼんやりとキャッチャーミット周辺を見つつラインをつくっていく。




④ 投げる
「②見る」でできたボールを握った指先の感覚を、「③狙う」でイメージしたラインに合わせてボールを差し込んでいく





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