トレーニング

ストレッチショートニングサイクル(SSC)とは?パフォーマンスアップに欠かせない基礎知識

2021.4.15

スポーツをする方なら覚えておきたい、ストレッチショートニングサイクル(SSC)。初めて聞いた!という方も多いのではないでしょうか?このメカニズムについて知っておくことで、日常生活からスポーツの場面まで、より楽に効率よく動作を行うのに役立つかと思います。それでは、見ていきましょう。少し難しい話かもしれませんが、しっかりと知識を身につけて怪我やパフォーマンスアップに活かそう!


ストレッチショートニングサイクルとは何なのか?

ストレッチ・ショートニング・サイクルとは、「主動作前に動作と逆方向に素早く予備伸長(反動)を加えることで、主動作のパフォーマンスが向上する」というものです。

これだけだと分かりにくいので例をあげます。
上に高くジャンプしよう!となった時に以下の二つではどちらの方が高く跳べますか?

①反動を使わず立った状態から上に跳ぶ
②しゃがみこんでから跳ぶ
ほとんどの方は、②の方が高く跳べるはずです。

しゃがみこむ際に大臀筋やハムストリングなど後ろ側の筋群が伸長されることで、その後一気に収縮されて爆発的なパワーを発揮する。これこそがStretch Shortening Cycle。「伸長ー短縮サイクル」の力です。
※ストレッチショートニングサイクルは頭文字をとってSSCと表記されることが多いです。

この他にも、予備伸長が加わる動作はストレッチショートニングサイクルが機能しています。

・椅子からの立ち上がり
・ボールを投げる際のテイクバック
・ボールを蹴る前のバックスイング

ストレッチショートニングサイクルについて詳しく
ストレッチショートニングサイクルは、3つの局面が組み合わさって成り立っています。

1伸張性局面(エキセントリック筋収縮)
2償却局面
3短縮性局面(コンセントリック筋収縮)


1.伸張性局面(エキセントリック筋収縮)
こちらの局面では主動筋の予備動作となります。先ほど解説した予備伸張の段階です。

エキセントリック収縮とは引き延ばされながら力を発揮することを指します。例としては腕立て伏せで腕を曲げる、腹筋運動で上体が倒れていく場面などが該当します。この動きの中で「腱の弾性エネルギー」が貯蔵されています。

腱の弾性エネルギーの貯蔵とは
エキセントリック収縮すると、筋肉が縮むので腱が引っ張られてゴムのように伸びた状態になります。(筋腱複合体としての作用)

この引っ張った状態においては腱が弾性エネルギーを蓄えており、続いて短縮性収縮(コンセントリック筋収縮)では解放されて大きな力を発揮できます。腱の弾性エネルギーの貯蔵は爆発的な力を発揮するのに必須なんですね。

2.償却局面
「償却局面」というと、一体何のことだろうと思われるかもしれませんが、伸張性局面から短縮性局面に入れ替わる、所謂切り返しのこと指します。

この局面はパワーの発揮に極めて重要であり、償却局面の時間が短ければ短いほど次の短縮性局面において大きなエネルギーを発揮することができます。

3.短縮性局面(コンセントリック筋収縮)
この局面では、

①伸張反射
②溜め込んだ弾性エネルギー
の二つが作用して大きなエネルギーの発揮に繋がります。

伸張反射(しんちょうはんしゃ、Stretch Reflex)とは、脊髄反射の一つで、骨格筋が受動的に引き伸ばされると、その筋が収縮する現象。 この収縮は、筋肉の伸展によって生ずる張力を、その筋肉の中にある筋紡錘が感受しておこるものである。
*特定非営利活動法人 日本ストレッチング協会 「伸張反射とは」より

ストレッチショートニングサイクル(SSC)を
上手くつかってパフォーマンスをアップさせよう

ストレッチショートニングサイクルを活用したトレーニングにはプライオメトリクストレーニングなどが用いられます。

プライオメトリクスはストレッチショートニングサイクルによって瞬間的なパワーを発揮するために行われるトレーニング。人間の身体には、過剰な伸長によって筋腱の断裂を引き起こさないようにするための「ゴルジ腱反射」という反射がありますが、プライオメトリクストレーニングではこの反射を抑制してより高いパワー発揮を目指します。

スポーツにおいて、その動作中にどれだけストレッチショートニングサイクルを効率よく使えるかはパフォーマンスに大きく影響しますので、トレーニングにおいて自然に行えるようにならなければなりません。

ちなみに、走る動作(スプリント)もストレッチショートニングサイクルの繰り返しによって成り立っています。

脚の前方引き上げ:ハムストリングス等にエキセントリック筋収縮
脚の着地まで:コンセントリック筋収縮
脚のバックスイング:エキセントリック筋収縮
※それぞれの切り返しが償却局面

このことを知っていれば、変に力をいれたりしなくても自然に大きな力を発揮できますので、パフォーマンスも大きく変わってくるでしょう。

ホグレルを使ったトレーニングも身体の柔軟性や可動域を向上させるだけでなく、SSCを活性化させ競技動作の改善につなげることも出来ます。ホグレルで劇的にパフォーマンスを改善させた例として、ホグレル硬式野球部の川﨑選手の事例を紹介していますのでぜひご覧ください↓

肩が強くなった経緯を話します!(ホグレル硬式野球部、川﨑選手)

ホグレルを使った上半身のトレーニングメニュー!

ホグレルを使った股関節周辺のトレーニングメニュー!

まとめ

ストレッチショートニングサイクルを活用するためには、3つの局面を理解した上で伸張反射と腱の筋腱の弾性エネルギーを上手に利用する必要があります。
伸張反射は適度に脱力が出来ていないと発揮しづらいものでもありますので、日頃からカラダのケアを行うなどして筋肉の緊張をほぐし、プライオメトリクストレーニングと組み合わせて素早い切り返しができるように練習していきましょう。

記事提供:ホグレル

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