トレーニング

「高校野球脳を鍛える 実戦プレー問題集」にチャレンジ!(中級編:問題4)

2020.4.30

昨年6月に発売されたこの本では、実際にあったプレーを挙げながら、考え方、守備位置、カバーリング、ルール等を初級、中級、上級に分けられた全120問を徹底解説しています。今回は中級編の中から、無死満塁の場面での打者の狙い球に関する出題です!


中級編|問題4

問題

無死満塁であなたに打席が回ってきました。
どんな球を狙いますか?
その理由も答えてください。

【場面・状況】
無死満塁、カウント、点差は特になし


解答・解説

高めの球を狙います。
この場面でまず考えることは、最悪の結果です。満塁で最悪は併殺打。三振や内野フライ、外野フライならアウトは一つですが、併殺打だと一気に2アウトになってしまいます。したがって、もっとも打ってはいけないのは内野ゴロということになります。
では、どんな球がゴロになりやすいでしょうか?それは、低めの球です。その逆に、高めの球はゴロになりにくい。だから、高めを狙うのです。

このときに注意してもらいたいのは、たとえタイムリーヒットを打っても、ゴロのヒットはダメだということ。ここでやるべきことは「ゴロを打たない」こと。やろうとしたこととやったこと(できたこと)が異なるのはNGです。逆にいえば、凡打でもフライならOK。それは、やろうとしたこととやったこと(できたこと)が一致しているからです。
低めを打ってゴロのヒットなら結果オーライ。高目を打って内野フライなら、それは実力不足。この考えができれば、練習でやるべきことも明確になりますし、失敗しても次につながります。
「高めを狙う」と言うと、「高めのボールが来なかったらどうするんだ」と言う人がいますが、状況を考えてみてください。無死満塁という切羽詰まった状況で、低めに投げ続けられる投手がどれだけいるでしょうか。高校生レベルなら、ほとんどいないと言っていいでしょう。高めに浮いた球を待つのです。もし、すべて低めに投げられたら、それは相手の投手が素晴らしいということ。潔く負けを認め、拍手を送ってください。

もちろん、投手なら考え方はこの反対。低めに球を投げることです。低めに投げた結果、ヒットを打たれたら、それは仕方がありません。素直に相手の実力を認めればよいのです。


『高校野球脳を鍛える 実戦プレー問題集』(田尻賢誉/竹書房)

昨年6月に発売されたこの本では、実際にあったプレーを挙げながら、考え方、守備位置、カバーリング、ルール等を初級、中級、上級に分けられた全120問を徹底解説しています。





著者

田尻賢誉(たじり・まさたか)
1975年兵庫県生。学習院大学卒。ラジオ局勤務を経てスポーツジャーナリストに。高校野球をはじめ、徹底した野球の現場取材に定評があるほか、指導者、中高生、父兄への講演活動も行っている。『機動破壊』、『機動破壊の秘策』、『機動破壊の解析力』、『高校野球は親が9割』、『超強豪校』、『激戦区を勝ち抜く方法』(すべて小社)など著書多数。

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