学校・チーム

【立花学園】ICT&ドローンで戦略!山奥なのに最先端

2020.4.8

激戦区・神奈川で新風を起こしている立花学園。日本昔ばなしの「金太郎」で有名な足柄山のふもとでドローンなどの最新機器を駆使した練習を行い話題を集めている。これまで「8強の壁」に泣かされてきた私学中堅校がどんなイノベーションを起こし、甲子園初出場をつかもうとしているのか?(取材は2月に行われました)


ドローンの空撮動画を見ながら精度を高めるミーティング

寮の食堂で行われたある日のミーティング。10分前に撮影したドローンでの空撮動画を見ながら選手たちが意見を交わしていた。(一、三塁のゲームノック練習で)「上から見ると、取れるアウトが取れていないなど守備の連携や、判断ミス、走路の修正点がよくわかります。普段の練習では気づけないことを知れるのがいいと思います」。同校科学部の井上和俊教諭(30)に操縦をお願いして昨年12月から導入しているドローンの空撮。その効果を濱田蓮主将が説明した。

ドローンだけではない。立花学園ではプロ野球でも使っている弾道測定器や、着用タイプの投球解析機もある。数日後には走力測定装置も届く予定という。選手たちが最先端の機器を使い、チーム力を上げている。

ツイッターは「高校野球の立ち読み」

仕掛け人は就任3年の志賀正啓監督(33)だ。「野球の練習でデジタルネイティブな今の子どもたちの感性をできるだけ外したくなかったのです。ドローン以外は『自分で扱えるようになる』ところまでを指導しています」。自身も新しいモノ好きな理数系男子だ(理科教諭)。「最新機器の導入は、選手たちに『俺たちは進んでいるんだ』という自信にもつながります」とその意図を説明した。

立花学園のこれらの取り組みは野球部ツイッター(@wakuwakugakuen)を通じて全国に発信される。フォロワー数は開設から1年で1,500人を越えた。ツイッター担当は吉田大育コーチ(27)。西野亮廣、箕輪厚介らのSNSビジネス活用論を学び、教員の立場で価値判断した上で部の活動や有益な野球情報を配信している。「以前、中学生をスカウティングしているとき、うちでやれる実力のある子が『私立に行く覚悟かつかない』と尻込みしちゃったんですよね。そんな子たちへ『うちではこんなことをやってますよ』と発信して興味を持ってもらうきっかけになればいいと思っています」。イメージしているのは「高校野球の立ち読み」。「入る、入らないは別として、コンビニで雑誌を立ち読みする感じで、チームの様子をツイッターで知ってもらえたらいい」。学校教育に「ネットリテラシー教育」も必要不可欠となっている近年。吉田コーチは「ICT(情報通信技術)をうまく使いながら進んでいく。高校野球もそういう時代だと思います」と続ける。ツイッター効果もあり、ここ数カ月で取材や、県外からの視察が急増した。「人に見られることが成長につながる」と志賀監督も反響を歓迎し、チーム力につなげようと燃えている。

さまざまな測定器を活用して、選手たちのパフォーマンスアップを行っている。

自己最速が出て喜ぶ選手たち。可視化することで成長を実感することができる。

ドローンで撮影した走塁練習を見ながら、修正点や課題を確認し、再び練習へ。


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