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【高校球児のための大学野球部ガイド】日体大硬式野球部・辻コーチインタビュー

2019.9.5

昨年は2人の投手がドラフト会議で上位指名を受け、今年のチームも主戦である北山比呂投手、吉田大喜投手がドラフト候補として注目を集めている。
そんな日体大の投手陣を指導する辻孟彦コーチに高校球児に向けてお話を聞きました。


高校時代の実績は考えずに見ている

ーー昨年ドラフトで指名された松本投手(西武)、東妻投手(ロッテ)、今年ドラフト候補の北山投手、吉田投手と近年好投手がどんどん出てきていますが、辻コーチが大学生を指導されている中で大事にしていることはどんなところですか?
辻「高校野球はまずみんな甲子園という目標に向かってやっているじゃないですか。大学野球ももちろんリーグ優勝、日本一という目標はありますけど、それだけじゃなくて個人それぞれがどう成長するかということをより考えるべきだと思うんですよね。それに2年生になれば20歳にもなって大人になる。大人である以上、自分をしっかり確立しないといけないし、自分で自分の責任を取らないといけない。だから自分でやるべきことを考えて、自分で練習をして、自分で伸びなさいという話はしていますね。
あと1対1の会話も大事にしています。ちゃんと自分の良さ、課題を僕に伝えられるようにしなさいと。高校生までは監督やコーチの話を聞くことが中心ですけど、対話をしながら成長していくのが大学生だと思います」
 
ーー高校生をスカウティングする役割もあるとのことですが、辻さんが投手を見られるときにどういうところを注意して見られていますか?
辻「まず高校の時点での実績は考えずに見るようにしています。所属しているチーム、背番号も考えずに真っ白なユニフォームだと思って見ます。自分が高校で実績がなかったからかもしれませんね。既にプロに行けるようなレベルに達していて、本人もプロに行きたいということであれば無理に声をかけることはしません。次にいいところを見るようにしています。色んな方と話していても欠点の話が多いんですよ。でも大学は成長できる場所ですから、それが直ればもっと良くなるわけじゃないですか」
 
ーーコーチとして指導するうえでもまずは良さに目を向けますか?
辻「そうですね。その選手の良いところを伸ばすためには、ここを直した方がいいよね、というアプローチです。ここがだめ、あそこがだめと言ってその欠点を直したとしても、良いところが伸びてなかったら成長しているとは言えないじゃないですか。良いところだからこそその子の軸としてもらいたいというのもあります。意外に本人も自分の良さに気づいてないんですよね。
北山(比呂)なんかエースじゃなかったこともあって自信がなさそうだったんですけど、高校時代にうちと練習試合で投げた時から凄くいいものを持っていました。あと選手も自分の長所を伸ばそうというとモチベーションも上がりやすいんですね。得意なことを更に伸ばそうとするわけですから。だから入ってきた選手にはまずその選手の良いところを言うようにしています。自分の良さを本人が知るところからがスタートですね」


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