トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(14)

2015.9.17

 こんにちは。野球塾リトルロックハートのコーチ、大友です。K君14回目となる今回のコーチングは、非軸脚の上げ方について細かく見ていきました。右投手なら左脚の振り上げ方、K君同様サウスポーであれば右脚の振り上げ方、ということになります。ちなみに非軸脚を振り上げ切ったポイントのことを、フリーフットと呼びます。

 K君はコーチング中にわたしが伝えていくアドバイスを逐一メモし、復習も非常に熱心な選手です。そのため着実にパフォーマンスを向上させることに、ここまでは成功しています。しかし今回はK君が独自に改良してきた非軸脚の振り上げ方に少し問題点がありました。

 K君はフォームを自主練習でマイナーチェンジし、フリーフットで膝を深く曲げる動作を作ってきました。しかしこの動作はパフォーマンスにプラスの影響を与えることはありません。

  膝下が内側


 例えば埼玉西武ライオンズの野上亮磨投手のように、プロでもフリーフットで膝を曲げて膝下を内側に入れていく投手が何人かいます。この動作によりパフォーマンスにプラスの影響を与えることはできません。しかしこのフォームでリズムが取りやすくなるのであれば、それはメリットと言うことができますので、この場合にのみ、フリーフットで膝を曲げても良いと思います。

 K君の場合は特にこだわりはなく、なんとなく膝を曲げた方が良いのではないか、という感じのマイナーチェンジで、それによりリズムが良くなるということもなかったため、一番シンプルな形に修正していきました。つまりフリーフットで膝下を真下にぶら下げる形です。

  膝下真っ直ぐ下


 フリーフットの膝下の形には主に3種類あります。リラックスして真下にぶら下げる形、膝を深く曲げて膝下を内側に入れる形、そして膝を伸ばして膝下を外側に出していく形です。3つ目に関してはフリーフットを勢い良く高く上げやすいというメリットがありますが、下半身の踏ん張りが弱いとフォーム全体がぶれてしまうので要注意です。

  膝下が外側


 膝を曲げる形と伸ばす形は、真下にぶら下げる形と違って筋力を使うことになります。そのため共にスタミナの消耗が大きくなるというデメリットがあるのです。前述した野上投手も、長年スタミナに不安があると言われ続けていますが、このようなスタミナを消耗しやすいフォームで投げているため、それは決して不思議なことではないというのがわたしの考え方です。

 リズム感が良くなるというメリットや、フリーフットを高くして位置エネルギーを強めたいという目的がない限り、フリーフットでの膝下はリラックスして真下にぶら下げる形が体力の消耗も少なく、動作全体も安定しやすいのでオススメです。もしフリーフットの膝下に動きをつけていくのであれば、以上のようなメリット・デメリットを理解した上で挑戦していくのが良いと思います。





  



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