トレーニング

全治と完治の違い

2015.8.24

 野球をしているとどうしてもケガをしてしまうことがあります。その場合、なるべく早い時期に医療機関を受診し、適切な診断と練習復帰に向けたリハビリテーションを行うことが大切になってきます。病院に行くと医師から「全治○週間」と具体的な期間を示されることもあると思いますが、「言われた期間内ではプレーが十分出来なかった、痛みが残った」という選手もいるのではないでしょうか。

 ここで医師から伝えられる「全治」は、病院に通い、治療に要する期間のこと。そして似たような言葉である「完治」は、治って、日常生活に支障がない程度まで回復する期間のことを指します。多くの人が「全治」=完全に治ってプレーできると考えていますが、実は病院に通って治療する期間を意味しているため、実際に競技復帰するまでにはもう少し時間がかかると考えた方がよいでしょう。

 例えば「軽度の肉離れで全治6週間」と診断された場合、6週間後に必ず競技復帰できるということではありません。6週間の間に、痛んだ筋線維がある程度修復すると見込まれますが、実際にプレーを行う時にはより大きな筋力が必要となります。ケガした側の筋力を以前と同じレベルかそれ以上に鍛えなければ、競技復帰をしたとしても、また同じ部位を痛めてしまうという繰り返しが起こります。特にプレーに必要な関節可動域(関節の動く範囲のこと)、筋力が十分備わっていないとケガを繰り返しやすく、肉離れはその代表的なケガの一つと言えるでしょう。

 「全治○週間」という言葉だけを鵜呑みにしてしまうのではなく、「最低でもこのぐらいの期間はかかる」と考え、再発予防に向けたリハビリテーションを行うことが不可欠です。競技復帰の目安としては、受傷したプレーと同じ動作を行っても不安なくできること。医療機関で関節可動域や左右の筋力差のチェックを受け、ゴーサインをもらってからプレーを再開するよう心がけましょう。

  痛みのみで判断せず、関節可動域や筋力をしっかりチェックしよう




  



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