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『激戦 神奈川高校野球 新時代を戦う監督たち』の大利さんに聞く、神奈川高校野球の魅力

2018.6.28

長年にわたり中学軟式野球と高校野球を精力的に取材されているスポーツライターの大利実さん。先日、人気シリーズの「神奈川を戦う監督たち」(日刊スポーツ出版社)の続編ともいうべき、「激戦 神奈川高校野球 新時代を戦う監督たち」(インプレス)が発売されるなど、神奈川の高校野球を語る上で欠かすことのできない人物だ。
今回はそんな大利さんに、この夏の神奈川大会の見どころや注目校、そしてこれまで見てきた中で印象に残っている選手など、お話を伺った。


あんなに凄い選手になるとは思わなかった中学時代の近藤健介


ーー中学軟式野球の取材を中心にスポーツライターのキャリアをスタートされたそうですね。
大利 そうですね。フリーで活動を始めたのは2003年からですね。

ーープロで活躍している選手の中には中学時代から見てきた選手もいると思いますが、特に印象に残っている選手はいますか?
大利 近藤健介選手(日本ハム)ですね。修徳学園中学(東京)時代から見ていましたけど、小太りでぽちゃっとしていた子で、ミートセンスは凄かったですけど、まさかプロでリーディングヒッター争いをするくらいの選手になるとは思わなかったですね。

ーーその他に印象に残っている選手はいますか?
大利 あとは大田泰示選手(日本ハム)ですね。中学の時(松永ヤンキース/広島)からバケモノでしたね。打っても投げても凄かったですけど、プロでもようやく才能が開花してき感じですね。

ーーこれまで見たきた中学生の中で一番凄かったのも近藤選手と大田選手ということになりますか?
大利 どうですかね……、現在、最速148キロを投げている高知中学の森木大智投手は、今まで見た中学生投手の中ではナンバー1です。

ーー現在中学生の?
大利 そうですね、現在進行形ですね。あとは、明豊中の今宮健太選手(ソフトバンク)も凄かったですよ、軟式で。体が小さかったですけどバネが凄くて。

ーーその他にピッチャーで印象に残っている選手はいますか?
あとは松井裕樹投手(楽天)の中学時代、青葉緑東シニア(神奈川)の時も見ていますけど、あんなに凄いピッチャーになると思わなかったですね。カーブは凄かったですけどね。あとは、斎藤佑樹投手(日本ハム)も生品中学(群馬)の時に見ています。いいピッチャーではありましたけど、球速も120キロ後半くらいで。「少しスピードの速い好投手」という印象でした。


神奈川の高校野球は大河ドラマ

ーー近藤選手、大田選手、松井投手はその後、活躍の舞台を神奈川の高校野球に移すわけですけども、神奈川は他の都道府県に比べて「高校野球熱」がすごく高いと言われています。多くの人々を惹きつける神奈川の高校野球の魅力はどんなところにあると思いますか?
大利 僕もその質問をよく高校野球の監督さんにぶつけているんですけどね(笑)。やっぱり一番は歴史じゃないですか?古くは法政二高の田丸(仁)さんという監督が出てきて、その後に原貢さん(元東海大相模監督)、渡辺(元智/元横浜高校監督)さん、土屋(恵三郎/元桐蔭学園監督、現星槎国際湘南監督)さん……、誰かが一時代を築くとそれを倒そうとするまた誰かが出てきて、そこに学校の歴史も重なってくるっていうところじゃないですかね。

ーーそういう歴史を神奈川の人たちはおじいちゃんの代から3代くらい見てきているわけですね。
大利 そうだと思いますね。よく言うんですけど、大河ドラマみたいな感じで時代を遡っていくと、(監督として)弟子同士が戦うとか、ライバル関係があったりとか、そこに桶狭間の戦いのようなターニングポイントがあったりだとか。そういう歴史の積み重ねだと思いますね。

ーー今回発売された「激戦 神奈川高校野球 新時代を戦う監督たち」(インプレス)でいうと、横浜高校出身の白山高校の村田浩明監督が先輩である平田徹監督率いる母校を倒すと下克上になったりだとか、確かにそういった楽しみが神奈川の高校野球には多い気がしますね。
大利 そうですね。門馬敬治監督率いる東海大相模に対する、大師高校の野原慎太郎監督の関係とかもそうですね。

ーー神奈川だけにとどまらず全国の中学、高校もたくさん取材されていますが、神奈川県外から見た神奈川の高校野球の優っている点、劣っている点などを感じることはありますか?
大利 いやもう、今はどこもそんなにレベル差はないと思いますよ。ただ、指導者の横のつながりが強いというのは神奈川の高校野球の一つの特徴だと思います。そういった関係は原貢さんくらいの時代から始まっていると言われているようです。


「仲間の力を引き出すのも仲間」

ーー今回取材された14校でこの夏、大利さんが注目している高校はどこでしょうか?
大利 一つ上げるのは難しいですねぇ……王道ですけど横浜でしょうか。

ーー横浜のどの辺に注目されていますか?
大利 やっぱり夏の大会三連覇がかかっていますし。これまで、神奈川県高校野球の長い歴史の中で法政二校と東海大相模の二校しか達成してないですからね。ちなみに平田監督は就任以来、夏はまだ一度も負けてないんですよ。

ーーその他に注目している高校はありますか?
大利 あとは平塚学園ですね。今までは気合と根性が売りという感じだったんですが、フライボール革命じゃないですけど打つ野球にガラッと変えたんですよね。大会序盤に緩いピッチャーを相手に苦戦する可能性はありますが、どういう戦いを見せるか注目したいですね。

ーーそれでは、この夏の神奈川大会の見どころを教えてください。
大利 横浜、東海大相模という両横綱をどこが倒すのかというところですね。今回はこの二校が南北に分かれますし、各校がどのように挑むのかというところが見どころだと思います。

ーー横浜、東海大相模の他にも桐光学園、慶応など神奈川は私学の厚い壁がありますが、公立高校でこの夏面白い存在になりそうな高校はどこでしょうか?
大利 この本でも紹介している、大師、白山です。熱い指導者が率いている進学校の相模原、川和にも注目ですね。

ーー最後に、神奈川にとどまらずこの夏を戦う球児に何かエールをお願いします。
大利 やっぱり「仲間の力は大きい」ってことです。仲間の力は何が大きいかといえば、例えばピッチャーが調子悪い時にキャッチャーが何か声かけしてあげたことによって調子が戻るとか、グリップの位置が低くなる癖があるバッターに「グリップの位置、注意だよ」と、仲間が声をかけてあげることで調子が戻るとか、必ずそういうことってあると思います。だから仲間同士で、こいつはこういう風になったときにこんな声をかけてあげたら調子が戻るとか、そういうことをまだ一ヶ月時間があるので、すり合わせてほしいなと思いますね。孤独になるので、夏の大会は。

ーー大利さんからのエールは「仲間の力を引き出すのも仲間」とうことですね。
大利 そうですね。


本日はありがとうございました。
(取材・撮影:永松欣也)


価格:単行本 1,836円/Kindle版 1,620円
出版社:インプレス



大利実(おおとし みのる)
1977年生まれ、横浜市港南区出身。港南台高(現・横浜栄高)―成蹊大。スポーツライターの事務所を経て、2003年に独立。中学軟式野球や高校野球を中心に取材・執筆活動を行っている。
『野球太郎』『中学野球太郎』『ホームラン』(廣済堂出版)、『ベースボール神奈川』(侍athlete)などで執筆。著書に『中学の部活から学ぶ わが子をグングン伸ばす方法』(大空ポケット新書)、『高校野球 神奈川を戦う監督たち』『高校野球 神奈川を戦う監督たち2 神奈川の覇権を奪え! 』(日刊スポーツ出版社)、『101年目の高校野球「いまどき世代」の力を引き出す監督たち』『変わりゆく高校野球 新時代を勝ち抜く名将たち~「いまどき世代」と向き合う大人力~』(インプレス)、『高校球界を代表する監督たちが明かす! 野球技術の極意』(カンゼン)がある。有料メルマガ(月額450円+税)『メルマガでしか読めない中学野球』でも情報を発信している。

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