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【静岡高校】4つのゲージで実践を想定した打撃練習

2017.5.26
4つのゲージで実践を想定した打撃練習を行う静岡高校野球部の選手たち
4つのゲージで実践を想定した打撃練習に取り組む選手たち

取材前に行われた春季県大会で惜しくも決勝で敗れはしたものの、東海大会への切符を手にした静岡。選抜大会では優勝した大阪桐蔭と8-11という堂々たる接戦に持ち込んだ要因はやはり打撃に尽きる。毎年コンスタントに破壊力のある攻撃を作り出す、練習にクローズアップしてみた。


4つのゲージで実践を想定した打撃練習

個々の意識を高める実践を想定したバッティング

静岡のバッティングを指導するのは元プロ野球選手であり、過去にはヤクルトスワローズのスカウトを務め、現在MLBで活躍する青木宣親選手の獲得にも尽力した小田義人氏。複数回の研修を経て、学生野球の資格が今年の2月に回復し、母校でもある静岡の外部コーチを月・火を除いた曜日に務めている。

指導を受けてからまだ3ヵ月も経たないが、栗林監督はその的確な指導方法に感銘を受け、打撃については小田氏に一任しているという。残念ながら、取材時は不在であったので直接話を聞くことはできなかったが「普段は小田さんがずっと選手個々をチェックしています。教え方も非常に上手で、選手それぞれに対応した指導をしてくれています」そう栗林監督は小田氏のコーチングを絶賛する。

ゲージごとに目的に応じたバッティング練習を行う選手たち
ゲージごとに目的に応じたバッティング練習を行う選手たち

この日の打撃練習では鳥カゴを4つ配置し、マシンを3つ、バッティングピッチャーのゲージが1つに分かれて選手たちがそれぞれ打ち込みを行っていた。細かい振り分けはファースト側から、右のカーブマシン・バッティングピッチャー・左のカーブマシン・ストレートマシンの順だ。これをレギュラー陣なら各ゲージ3分、計12分で一周が基本ペースとなる。少し珍しいのは、一番左にあるストレートマシンにはホームベースが二つ並んでいる。ベースとベースの間にストレートを設定することで、右打者も左打者もアウトコースぎりぎりのストレートを打つ練習ができるのだ。

二つ並んだホームベース
二つ並んだホームベース。こうすることで右打者も左打者もアウトコースぎりぎりのボールを打つ練習ができる

常に実践を想定した打撃練習を行う必要があります。ただ、振るだけではダメ。一人ひとりが目的を持つことが大切です。例えば、このゲージでは右打ちに徹する、今度は引っ張るといったケースによったバッティングを身につけることができなければ、試合でできるわけがありませんよね。また、選手によってこういった結果が求められているということを選手との対話で伝えることにより、選手自身が考え、バッティングに磨きをかけることが可能になります」。

また、バッティング投手のゲージでは金属バットではなく、木製バットを使ってスイングをするのも特徴だ。これは打ち方が金属打ちにならないようにという意味合いと、大学・社会人・プロなど、その後のステージで通用するバッティングを高校時代から養っていこうという心がけでもある。

学・社会人・プロなどを見越して行う木製バットでのバッティング練習
大学・社会人・プロなどを見越して木製バットでのバッティング練習も行われている

20時過ぎに行われる自主練習でも多くの選手がティーバッティングでバットを振り続けている。的確な指導、実践的な練習で培われたバッティング。地道な積み重ねが毎年の静校打線を作り上げているのだと感じた。(取材・写真:児島由亮)

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