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【九州国際大付】九国大付が誇る強力打線 プロも注目する恐怖の3、4番コンビ

2014.8.14

強打でならす、福岡県代表・九州国際大学付属高校。チームの中心となるのはプロ野球団も注目の3番古澤勝吾、4番清水優心のコンビだ。

「動の古澤」は福岡大会.481の調子をそのまま維持できるか

若生監督から絶大なる信頼を得る、九州国際大付の清水優心選手


 1年の秋に、レギュラーを獲得した時点で、走攻守の総合力で福岡ナンバーワン遊撃手となった実力派が古澤勝吾だ。

 最大の特徴は、「侍風情」。胸筋が優れ、背筋がピンと伸び、風を切ってプレイする姿は研ぎ澄まされている。守備での間合い、声かけの動作は、既に社会人野球のベテラン選手のようだ。内に秘めた自信がプレーに表れている。

 しかし、同時に焦りも時折顔をのぞかせていた。チーム内にライバルである清水優心(捕手)が、春季九州大会にてデビュー以来、ゆるぎない「ドラフト候補」としての評価が確定し、古澤は追いかける立場となったからだ。

 その焦りも、圧倒的な打撃で勝ちあがった福岡大会の活躍で、一蹴した。

 「静の清水に、動の古澤」。性格にも対照的な二人が、初めてうまく機能した大会だった。チーム打撃に徹する清水に対して、古澤は「自分が引っ張る打撃」を展開した。

 3回戦の天敵・飯塚戦で、追撃を許さぬダメ押しの中越本塁打以降は、止まらなかった。6回コールド勝ちした5回戦・福岡工大城東戦で、4打数4安打でのサイクル安打を達成、大量得点後の本塁打やコールド狙いの単打と状況判断に優れた打撃だった。

 打率.481、2本塁打、13打点の記録を引き下げて臨む甲子園では、「走攻守」全てにおいて、ハイレベルなプレーを見せてくれるだろう。


指揮官からも絶大なる信頼を得る不動の4番清水

 4番の清水優心は安藤との1年バッテリーで、入学直後の春季九州大会の初戦・伊万里農林戦でデビューを飾った。4番に座った清水は、初回1死一、二塁で目にも留まらぬライナー性三塁強襲同点打をはなった。若生正廣監督の期待に対する回答だった。

 「背中でひっぱるだけで十分」。恩師は、清水の素質に絶大なる信頼を置いて、不動の4番・捕手として起用し続ける。新チームになると、主将の重責も担うようになった。清水自身も、順調に成長した。高校通算35本塁打に、二塁までの送球は、1.80秒台。「ドラフト候補」のプレシャーにも、平常心のプレイスタイルはゆるぎなかった。

 一方、大会毎に優勝候補一番手のチームは、勝ちきれずにいた。2013年夏は屈辱の初戦敗退、「九州ナンバーワン打線」としてのぞんだ13年秋季九州大会では、伏兵・鎮西に延長14回の末、サヨナラ負けを喫した。最上級生となった14年春も、福岡北部大会2回戦で姿を消した。それでも、「夏に向けて、いつも通りの野球をするだけ」と辛抱し続けた。

 ラストチャンスとなる今夏、初戦・西田川戦で、左中間へ深々と先制2点本塁打を打ち込み、チームを勢いづけた。チーム打撃に徹した福岡大会の「打の主役」は、同僚の古澤に譲ったが、司令塔として4投手の継投を支えた。

 「監督を日本一に」。今夏勇退する若生監督に対し、感謝の念で一杯だ。その思いを甲子園でのプレーにぶつける。



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