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【監督インタビュー】高校野球名監督に聞く! 中学球児が高校で活躍するためにすべきこと 第3回:県岐阜商・藤田明宏監督

2014.9.6

高校野球と中学球児をつなぐ名監督インタビュー第3回は、春27度・夏28度(2014年9月現在)の甲子園出場を誇る岐阜県随一の伝統強豪校・県立岐阜商業高校の藤田明宏監督にお話をうかがいました。高校野球で活躍するために、今から意識しておくべきこととは!?

※ Timely!Jr #3より転載

食事の重要性を語る藤田監督


中学時代から食事には気をつけよう

Q.軟式球児と硬式球児の違いは?

2014年春の大会ではベンチ入り20人のうち5人が軟式出身者でした。ただ基本的に軟式だから不利ということはありません。球の重さが変わるだけで、野球という点では一緒。2ヶ月も経てば硬球にも慣れるし、あとは各自センスがあるかどうかです。

あえて言えば、軟式は球が弾む分、守備で腰高になりがちなので、低いゴロに対してしっかりと“股関節を入れて”捕り、送球する基本練習を積んでおいてほしいです。



Q.1年生から起用したくなる選手とは?

打撃において、ファーストストライクから振れる思いきりの良い子ですね。決め球に比べてカウント球は甘いことが多いですが、それを積極的に振っていける選手は心と体の準備ができているということ。ストレートや変化球への対応力、相手投手の持ち球を考えることなど、訓練を積めば初球から振れるようになります。あとはバントが出来て、走塁での判断力・走塁カンがある子。実戦や練習で様々な打球を見て、判断力を磨いておくといいと思います。



Q.中学時代に気をつけるべきことは?

食事ですね。3食プラスアルファの食事をきちんと取り、たくさんのお米(できれば1日1600グラム以上のご飯)を食べることが大事です。飲み物は、牛乳を1日コップ3杯は飲んでほしい一方で、砂糖の多い飲料を取りすぎてはだめ。成長期だからこそ、栄養バランスに気を配ってください。



Q.高校で伸びる選手とは?

絶対的な「体力」がある選手です。高校の練習は中学時代の3倍はありますし、暑い時期の連戦に耐えることも必要。体力がなければ気力も生まれてこないですから。あとは人の話を聞けて、理解力がある子。理解力とは、要点をつかむ力であり、普段の学校の授業で十分鍛えられますよ。



Q.中学球児へメッセージを!

野球人として甲子園は目指すに値する場所です。ただ、それ(甲子園出場)だけが全てではなく、普通の人ならへこたれているときに平気でいられる忍耐力がつき、生涯の友人ができるのも高校野球です。



◆COLUMN◆ 

長男・凌司投手も軟式出身!

ベスト8入りした2013年のセンバツ甲子園では、藤田監督の長男である藤田凌司投手(立教大)が活躍したが、彼も中学時代は地元中学校の軟式野球部でプレーしていた。「小学校のチームで県大会を制覇していて、メンバーの多くが中学校の野球部で続けるような感じだったので、彼もそのまま仲間とともに中学の軟式野球部を選んだみたいです」と父である藤田監督は振り返る。「私自身は彼に硬式にしろとも軟式にしろとも言っていません。どちらが良いということはないですから。無理して重い球を投げる必要もないですし、結局は同じ野球なので、体力強化などの準備のほうが大事だと思います」



■監督プロフィール

藤田明宏(ふじたあきひろ)監督・・・1968年生まれ。現役時代は県岐阜商高の主将として甲子園に出場。監督としても実績豊富で、通算5度(このうち2009年から指揮を執る母校で3度)の甲子園出場中、ベスト4に2度輝いている。選手の実力を最大限に引き出す手腕は「藤田マジック」と称される。



■チームプロフィール

県立岐阜商業高校・・・岐阜県岐阜市にある県立高校で、2014年に学校創立110周年を迎えた伝統校。春夏通算55度(2014年9月現在)の甲子園出場を数え、2013年のセンバツでは優勝候補の大阪桐蔭を破りベスト8入りした。部員数は3学年合わせて毎年90人前後。OBに高木守道(元中日監督)、和田一浩(中日)、石原慶幸(広島)ら。

練習中、選手に指示を出す藤田監督


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