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【中村高校】選抜甲子園出場高の練習にクローズアップ!

2017.2.22

選抜甲子園出場を決めた中村高校野球部の練習風景

「Timely!」No.42号掲載に先駆けて昨年12月に先行してオフトレーニングの様子を紹介した高知県立中村高校。本誌掲載版の練習レポートをお届けします!


【強さの秘訣2】走るメニューも実践を想定!

狭いスペースの練習でも常に実戦の動きを想定して行い、プレーの質向上に繋げている
【野 手】
●アップ ●ペッパー(守備)●ティーバッティング(動きをつけて)●ティーバッティング(両方向)●ランニング(ゴロの動き)●ランニング(フライの動き)●ランニング(走塁の動き)
【投 手】
●アップ ●キャッチボール ●ピッチング ●ネットスロー ●縄跳び

重いバットでの打力強化と効率のいい練習メニューが特徴

取材当日は激しい雨ということもあり練習は室内練習場で行われた。この施設も野球部専用ではなく市の施設であり、予約をとる必要があるという。投手を務める4人とそれ以外の選手とに分かれて練習を実施。この日は気温19度と暖かかったため、エースの北原投手はピッチングも行っていた。それ以外の投手陣が精力的に行っていたのがネットスローと太い縄を使ったトレーニング。ネットスローではひじの位置、体重移動などフォームをこまめにチェックしながらネットに向かって投球を繰り返していた。

スローイングの練習に取り組む中村高校野球部の選手

野手の練習で特徴的だったのは1,100gのマスコットバットを用いたティーバッティング。ただトスされたボールを打つだけではなく、スイングの前後にあらゆる動きを取り入れていた。一つは打つ方向とは逆に、バットと身体を大きく振ってからスイングするもの。トップの姿勢と体重移動を意識するために行っている。そしてスイングの後、剣道の「面」を打ち込むような動きも行っていた。これは重いバットを上から振り下ろすことで体幹のトレーニングになる。

マスコットバットを用いたティーバッティングに取り組む中村高校野球部の選手

そして長い時間かけて行っていたのが身体の両方向からトスされるボールを交互に打つバッティング。この練習には三つの目的がある。

一つ目は下半身強化。重心を低く保って両方向に体重移動しながら重いバットを振ることで、股関節を強化させる。

二つ目は身体の前でボールをとらえる訓練。身体から少し遠い位置にボールがトスされるため、身体の前でスイングしないとミートすることができない。これを繰り返すことでボールを飛ばしたい方向に飛ばす感覚が身につく。

三つ目は故障の予防。同じ方向ばかりスイングするとどうしても腰に負担がかかるため、両方向に振ることで体のバランスを整えているそうだ。

身体の両方向からトスされるボールを交互に打つ中村高校野球部の選手

最後に行われたのはランニングのメニュー。ここでも限られた時間と場所での工夫が見られた。ただ走るだけでなく、実際のプレーを想定して行っていたのだ。守備ではゴロをとる動き、フライを追う背走の動きを繰り返しており、走塁ではどのような状況でのスタートやダッシュかなどを横山監督が逐一指示を出し、選手はそれを繰り返していた。狭い場所や限られた時間を効率的に使い、「練習のための練習」にならないように、工夫が随所に見られる雨天時の練習だった。

工夫溢れるランニング練習に取り組む中村高校野球部の選手


昨年4月、22年ぶりに母校に赴任した横山真哉監督。現役時代は中心選手として1年秋、2年秋と二年連続で四国大会に出場。長年の指導経験から、公立高校ならではの方法でチームを強化している。

中村高校(高知県)

●監督/横山真哉
●部長/山本泰道
●部員数/2年生10名、1年生6名、マネージャー4名




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