部員数わずか16人ながら秋の高知県大会で明徳義塾を破って40年ぶりの優勝を果たした高知県立中村高校。春ベスト4、夏も準優勝と継続して結果を残しており、着実に力をつけている。
今回は1月に配布される「Timely!」No.42号の取材で同校を訪問。webでは一足早く、同校のオフのトレーニングの模様をお届けします!
野手とは分かれてトレーニングを行っていたのは投手を務める4人。この日は気温19度と暖かかったため、エースの北原野空投手はピッチングも行っていたが、それ以外の投手陣が精力的に行っていたのが太い縄を使ったトレーニングだ。まず最初はその太い縄を使って縄跳びを行うもの。
縄跳びは肩のインナーマッスルの強化やバランス感覚を養うために投手のトレーニングとして重宝されていることが多い。この太い縄跳びは回すことに力を要するため、上腕の筋肉にも負荷がかかり、更に回数は100回以上ということで持久力も必要となる。1セット終わるだけでその場に倒れ込む様子がその負荷の大きさを物語っていた。
もう一つが二人一組になり、一人は縄を抑え込みもう一人が両腕を使って縄を振るというもの。
縄を振る側の選手は体を使って大きく振ることで、肩甲骨周りのトレーニングになり、抑え込む選手は動く縄を固定するために強い握力が必要となる。投手に必要な力を養ううえで非常に有効だと言えるだろう。
あらゆる制限をハンデではなくプラスとしてとらえる、という横山監督の言葉通り、限られた環境の中で密度の濃いトレーニングが行われていた。エースで4番とチームの大黒柱である北原野空投手も「センバツに選ばれても選ばれなくても甲子園で勝てるチームを目指しています」と語るように、選手達も高い意識で取り組んでおり、続けて結果を残しているのもうなづける練習の様子だった。
(取材・文:西尾典文)