トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(30)

2016.1.27

 こんにちは。リトルロックハート(野球塾)のコーチ、大友です。
 記念すべきK君のコーチング連載30回目となる今回は、骨盤の回旋をテーマにコーチングを進めていきました。

 上半身投げになっているかどうかの判断ポイントはいくつかあるわけですが、その内の一つに骨盤の回旋動作があります。骨盤の回旋は、つまりは股関節を回して行いますので、結局のところ一番大切なのは股関節ということになります。わたしのコーチングでも股関節に関しては常々一番大事であると言い続けています。わたしのコーチングを受けたことがある方であればご存知ですね(笑)

 まず1枚目の写真をご覧になってみてください。投げ終わった際、骨盤が三塁側を向いています。これはしっかりと股関節を使うことができ、左投手の骨盤が一塁側から、三塁側まで深く回っているということです。この形は下半身が安定していなければ取ることはできません。足部や膝がランディング後にブレてしまうと股関節は回せませんので要注意です。

  骨盤の回旋が良好な形


 続いて2枚目の写真をご覧になってみてください。投げ終わった時、つま先と骨盤が両方ともキャッチャー側を向いてしまっています。つま先はもちろんこれが最善の形であるわけですが、骨盤の場合は違います。つま先と骨盤の向きが同じということは、これはつまり股関節が内旋も外旋もしていないニュートラルな状態ということになり、上半身だけで腕を振ってしまっているということになるのです。

  骨盤の回旋不良


 2010年にリトルロックハートを設立して以来、わたしは数多くの肩痛経験者のコーチングを行ってきました。その選手たちを観察してみると、ほとんど100%と言ってもいいくらい骨盤の回旋不良状態となっていました。つまり股関節を使えていない投げ方です。

 股関節を使えなければ、あとはもう肩を動かして腕を振っていくしかなくなりますので、肩への負担は非常に大きくなってしまいます。肩上部から肩後方にかけて痛みが出る選手は、ほとんどの場合は骨盤の回旋不良状態になっていると思います。

 故障のリスクを軽減させるためにも、パフォーマンスを向上させるためにも、しっかりと股関節を回して骨盤を回旋させていく必要があります。つまり股関節が硬いと良い動作を取ることができず、故障を引き起こしやすく、パフォーマンスもなかなかアップしないということになりますので、股関節のコンディショニングは十分過ぎるほど行うようにしていってください。K君も現在は股関節の柔軟性と強さの向上に努めている最中です。





  



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