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【北の球児たち】来春のセンバツを目指してしのぎを削る「北の球児たち」

2014.10.2
全国各地で新チームによる秋季大会が行われているが、実は全国10の地区大会のうち、夏同様に一度も負けられないのは北海道だけ。その分センバツでは一般枠として北海道から1が確約されている。

松前・福島商連合チームの球児たち

15の連合チーム。苦労する新チームの船出

 210チームが出場した地区大会、そして各地区代表の19校が札幌に集い10月6日に開幕する北海道大会。
 225校210チームの出場。これは連合チームの存在を物語る。3年生が抜け1、2年生だけになるのだから部員が減るのは当たり前だが237校・225チームが参加した夏から15チームも減った一方でこんな逆転現象もあった。

 夏、部員不足のため参加を見送った部員3人の上川高は同じ地区内で部員不足となった富良野緑峰高の選手ともに連合チームを結成して出場が実現した。上川高にとっては一昨年の夏以来7季ぶりの大会出場だった。実は夏までは所属する旭川地区の加盟校で上川高だけが部員9人に満たず、連合チームを組む学校がなかったのだ。富良野緑峰高の部員不足の「お陰」で上川高の部員に大会出場のチャンスが巡ってきたという皮肉な実情がある。もちろん来春の新入部員に期待して双方単独出場を目指すが、仮にどちらか一方だけが部員不足に陥った場合、最後の夏に出場できない、という悲劇が起こることもあり、今後の動向が気になるところだ。

 最北の名寄地区では浜頓別・利尻・豊富の3校連合チームが大会出場したが、この夏は浜頓別が単独出場し、利尻・豊富の2校で結成した連合チームと対戦していた。「昨日の敵は今日の友」と言えば聞こえはいいが、大会出場のために奔走する関係者の苦労は絶えない。

『北の球児たち』では名勝負の裏側を詳細に追っている

総合力では北海、札幌第一。北見北斗は21世紀枠での出場も狙える位置に

 10月6日から開幕する北海道大会。出場19校のうち初出場校はなく、実力校が順当に勝ち上がった大会になった。波乱と言えば夏の甲子園出場の武修館、昨春センバツ出場の遠軽の敗退か。1,2年生だけの大会だけに予想は難しいが、総合力で北海、札幌第一の両校を駒大苫小牧、北照、旭川龍谷、白樺学園が追う展開だろうか。注目の投手は駒大苫小牧・伊藤大海(2年)、東海大四・大澤志意也(2年)、白樺学園・中野祐一郎(2年)、旭川龍谷・清水拓莞(1年)の右腕。打者では北見北斗・浅井岳(2年)、投手としても注目したい北照・川端翔(2年)。

 甲子園出場枠と同様、最終候補枠が確約されている21世紀枠は稚内大谷と北見北斗に好機。特に北見北斗は出場19校中、最長の8季連続北海道大会出場中と実績は十分。センバツ切符をたぐり寄せるためにもまずは2勝してベスト8以上を狙いたい。

注目の2年生ピッチャー、白樺学園・中野祐一郎投手

<著者プロフィール>

長壁 明(おさかべあきら)
1968年生まれ、札幌市在住。
札幌清田高野球部OBの元高校球児
広告会社勤務を経て09年9月に「北海野球部百年物語」を発行
11年7月に道内高校野球専門誌「北の球児たち」を創刊。
Facebook: https://www.facebook.com/kabesta


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