トレーニング

屋外での落雷事故を防ぐ

2016.7.28
  雷が発生しやすいのは夏、夕方頃にかけて。あらかじめ避難場所を確認しておきましょう。


 突然大雨や雷をもたらす積乱雲は夏の時期によく発生します。積乱雲は「大気の状態が不安定」な気象条件で発生しやすくなるといわれていますが、これは上空に冷たい空気、地上には温められた空気の層がある状態を指します。地上の温かい空気は上へと昇り、上空の冷たい空気との対流が起こって積乱雲を発生させ、地上の空気に含まれる水蒸気が上空で冷やされると、氷の粒や「あられ」となります。落雷はこれらが上空でぶつかりあうことによって静電気を発生させ、たまった電気が地上に向かって放たれるために起こります。

 真夏は、日中の強い日差しによって地上付近が暖められることで大気の状態が不安定になるため、気温がピークを迎える昼過ぎから夕方ごろに雷が多く発生します。落雷そのものを防ぐことはむずかしいですが、屋外でのスポーツなどで起こりうる落雷事故は防ぐことが可能です。野球は屋外で行うスポーツですので、練習前にその日一日の天気予報をチェックする習慣をつけておきましょう。天気予報などで大気の状態が不安定という表現があれば、お昼過ぎから夕方にかけて突然の雷雨に襲われるかもしれないということをあらかじめ念頭に置いておく必要があります。

 また事前に雷が起こった際の避難場所を確認しておきましょう。安全な避難場所として適しているのは四方を囲まれた建物や車の中などです。グランドやベンチなどは囲まれた建物ではないので避難場所には不向きです。木の近くで雨宿りすることがあるかもしれませんが、木のそばもやはり避難場所には不向きです。なるべく姿勢を低くした状態で、雷鳴の間にすばやく避難するようにしましょう。

積乱雲が近づく兆しとしては、

・急に暗くなる
・短時間で厚い雲で覆われた空になる
・ヒヤッとした冷たい風が吹く
・大粒の雨や「ひょう」が降る

 といったことが挙げられます。こうした兆しが見られた場合はバットなど長い道具は手放し、すぐに建物や車の中に避難するようにしましょう。

 万が一落雷事故に遭遇したときは、救急車を要請し、雷を受けた人を安全な場所に移動させて心肺蘇生法(AEDを含む)を実施します。倒れた人を触っても雷の電気は残っていませんので感電することはありません。迅速な応急処置が人命救助につながります。落雷に対する正しい知識と遭遇時の対応についてはしっかりと確認しておきましょう。


  



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