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【少年野球指導者のひとり言】観てる

2015.10.13
私は練習中、ほとんど選手に口を出しません。だいたい練習時間の8割くらいは黙って観ています。

これは私の指導者としての経験則ですが、小学生の場合は1日に修得できることは1つ、または2つくらいが限界です。
その「貴重なひとつ」に何を選ぶかは、選手にもよるのですが、観点は2つです。

1.放置すると故障に発展するリスクのある癖
2.その子どもが今日、一番興味を持って取り組みそうなこと

1は想像が付くと思いますので、2について説明します。
例えば、「四球を連発した投手には制球をよくするための練習」など、本人が課題認識をしてたり、上手くいかなくて困っているものを見つけて「こういう練習あるけどやってみる?」と言って指導します。そして、目標設定はひとつだけ設定します。

「今日は●●ができたら100点(^_^)/」で良いと思います。

中途半端にあれこれやるよりも、「ひとつのことを徹底的に身に付ける」方が効果的ですし、成果が見えることで子どもにも達成感が芽生えます。逆に中途半端な修得は、1週間経つとかなりの確率でもとに戻ります。

私にとって「観てる」は一番効果的な「ひとつ」を選択するためのとても貴重な時間です。野球未経験者の方でも、ずっと観察して「上手くできている時」「上手くいかなかった時」の違いを探せば、いろいろ分かるものです。

そして何よりも、「ちゃんと観てくれている」ということが、子どもにとって一番嬉しいことだと言うことに気付くと思います。

※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。


著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


  


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