トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(15)

2015.9.25

 こんにちは。野球塾リトルロックハートでコーチを務める大友です。
 K君のコーチングも今回で15回目を迎えました。そして今回のテーマは軸脚の振り上げ方についてです。ここで「あれ?」と思った方はとても鋭い方です。普通振り上げるのは非軸脚ですよね。でも今回は軸脚の振り上げ方なのです。

 ボールリリースを迎える前後のタイミングで、軸脚を股関節から高く振り上げていきます。この形を作ることができないと、ある大きなデメリットが生じてしまうんです。そのデメリットとは、非軸脚側の股関節を上手く使えない状態になってしまうことです。

 非軸脚側の股関節と言えば、鋭い回転運動を行っていく部位です。つまり簡単な話、軸脚を高く振り上げることができないと、鋭い回転運動を股関節によって行うことができず、上半身主体の投げ方にならざるを得なくなる、ということなのです。

 2枚の写真を見比べてみてください。軸脚を高く振り上げることができると、非軸脚側の股関節を最大限使っていけるようになります。しかしもう1枚の写真のように軸脚が低い位置で動いてしまうと、非軸脚側の股関節は動きが取れなくなってしまうのです。この時の動きとは、非軸脚側の股関節を内旋させながら前傾させていくという動きで、低めに伸びる球を投げるためには不可欠なモーションとなります。

  リリース後の軸脚を股関節から高く振り上げている形

  リリース後の軸足が低い位置で動いてしまう形


 たくさんの投手を観察していくと、上半身主体で投げている投手はほとんど確実に軸脚を高く振り上げることができていません。股関節とは下半身と上半身のつなぎ目ですので、股関節を上手く使えないフォームを取ってしまうと、どうやっても下半身主体で投げていくことは難しくなってしまうのです。

 非軸脚側の股関節を最大限使い、球威球速をアップさせるためにも、全身でローマ字のTを描くイメージで、軸脚を高く振り上げていってください。この時の注意点は、一度二塁ベース方向に振り上げた軸脚を向け、その後で外側に抜いていくということです。

 一度二塁ベース方向に向けるというのは、ベクトル(投球エネルギー)をしっかりとキャッチャーミット方向に使っていくためにはとても大切なことなのです。ですので例え一瞬であっても良いので、必ず一度は振り上げた際に軸脚を二塁ベースに向けるようにしてください。

 K君のこの写真は静止状態でこのポーズを取ってもらったので、重心がちょっと高めになっています。しかし実際の投球動作では、この写真よりももっと低い重心で投げていってください。重心を低くすればするほど、相対的に軸脚を高く振り上げやすくなります。

 重心を下げるとはつまり、股関節の位置を低くしていくということです。そしてこの股関節は軸脚膝(ディッピング)ではなく、軸脚股関節を「く」の字に深く曲げていくことにより、股関節の高さを低くしていってください。

 15回目ともなると内容も難しくなってきますね!でもみなさんもK君同様、頑張ってトレーニングしていきましょう!



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