トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(11)

2015.8.26

 こんにちは。野球塾リトルロックハートの大友です。

 大学生投手K君11回目のコーチングは、非軸足の接地位置を細かくチェックしていきました。非軸足とは右投手なら左足部、K君同様左投手であれば右足部ということになります。つまり振り上げたフリーフット後の非軸足を、どの位置に接地させていくか、ということです。

 一般的には軸足カカトの延長線上に接地していく方が多いのではないでしょうか。教則本を読んでいても、そのように書いてあることが多いように感じます。しかし、私の場合はカカトの延長線上ではなく、土踏まずの延長線上に接地していくように指導をしています。その理由はこの位置に非軸足を接地させ、同時に軸足を動かしていく際、この位置にある時が最もスムーズに非軸脚側股関節を含めた骨盤周りを動かしやすくなるからです。

  左投手-カカトの延長線上

  左投手-土踏まずの延長線上

  左投手-つま先の延長線上


 骨盤動作の重要性は、某有名野球塾の人気コーディネーターさんも著書にて詳しく解説されていますが、まさにその通りで、骨盤の下部にある股関節というのは上半身と下半身の境目となり、投球動作では実は肩以上に重要な部位なのです。骨盤周りを上手に使うことができないと、せっかく下半身で生み出した大きなエネルギーを、上半身に伝えられずにボールを投げることになってしまいます。

 投球動作における回転運動とは、非軸脚側の股関節を回す(内旋させる)作業のことです。この動作を鋭くして球威をアップさせるためにも、骨盤を動かしやすいストライドラインを作る必要があるのです。ちなみにつま先の延長線上に接地していく投手もいますが、このようなクロスステップでは骨盤をスムーズに使っていくことはできなくなります。ただし、強靭な内転筋がある場合はクロスステップによって球威をアップさせることができます。だとしても体への負荷は大きくなりますので、基本的にはクロスステップはお勧めできません。

 なお冒頭で書いたカカトの延長線上に接地をしていくと、今度は両足の内側の面同士の距離が投球動作中に広くなってしまいます。平たく言えば、肩幅よりも広く足を広げて動作を取っているということです。この横の幅が広すぎてしまうと、踏ん張りやすくはなるのですが、やはり骨盤をスムーズに動かしていくことは難しくなります。また、非軸脚の膝が開きやすくなり、ストレートもシュート回転しやすくなってしまいます。

 最後に結論としてもう一度まとめると、非軸足の接地位置は、軸足の土踏まずの延長線上に真っ直ぐ入れていくのが理想の形です。回りながらの接地ではなく、まるで飛行機の着陸のように、捕手方向に対し真っ直ぐ接地させていきます。そうすると股関節を含めた骨盤がスムーズに動いていくれるようになり、上半身と下半身の連動も今まで以上に上手くいくようになるはずです。K君も少し回りながら接地し、そこから膝が開いてしまう癖があったため、今回のコーチングではこの点を注意深くチェックしていきました。

 皆さんもぜひ、上述したような接地を目指して投球動作を微調整してみてください。きっと球質が向上していくはずです。




  



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