群雄割拠の千葉県で常に上位に悔い込みつつも、惜しいところで全国への切符を逃してきた中央学院。ついに昨年、悲願の甲子園初出場を果たした。地域住民を巻き込んだ応援の熱風、ひときわ目を引く花形は笑顔いっぱいのチアリーディング部だ。笑顔を武器に戦う彼女たちから、頑張る球児へのエールが届いた。
「vol.3 中央学院高校 チアリーディング部」のエール
悔いが残らないよう、最後の最後まで力を出しきって!!
ーー中央学院チアリーディング部の活動について教えてください。
阿部莉子 部長(以下阿部) 練習は毎日です。月曜日から金曜日までは16:00〜17:30、大会期間になると18:30くらいまでやっています。土曜日は13:00~16:00、日曜日は9:00〜12:00くらいですね。
いま(取材した4月上旬)は、まだ1年生が入部していないので、部員は2年生が6人、3年生が13人です。
ーー年間のスケジュールはどのような感じですか?
阿部 大きな大会は3つ、1つ目は夏の関東選手権大会。これは勝ち上がると日本選手権大会に進めます。2つ目は冬の全日本高等学校選手権大会。これは、2年生がメインとなってやる大会です。3つ目に、春にアジア インターナショナルオープンがあるんですが、今年は中央学院高校は参加しません。
キツくても笑顔は忘れない。表現するスポーツ、チアリーディングのモットー。
ーーその大会の間に、部活応援をされているんですね。
阿部 そうです。野球部とサッカー部の応援をすることがあります。
ーー昨年は、野球部が念願の甲子園出場を果たしました。チア部も応援に行ったそうですが、どうでしたか?
阿部 応援の内容は、野球部のみなさんに元気と勇気と笑顔を届けるものでした。テレビで見ていた甲子園球場で応援させてもらって光栄です。新しいユニフォームを着られたのも嬉しかったな。
糸賀茉尋 副部長(以下糸賀) アルプススタンドから選手の表情が見えるんですけど、すごくキラキラしていました。結果的に負けてしまいましたが、そこよりも8回に逆転したときのシーンがすごく印象に残っています。
競技ではアクロバティックな技も多い。強い信頼関係があるからこそできる演技。
ーー緊張しませんでしたか?
糸賀 「相手チームの応援には負けないぞ!」という気持ちでやりました。
阿部 前髪もピシっと上げて、暑くても袖をまくらず、しっかり応援をやりきるぞと思いました。
ーーどんな応援を心がけましたか?
阿部 野球部のみなさんがやってきたことが、この試合で十分に発揮できるようにという想いを、声を出して届けようと心がけました。
糸賀 ピンチのときは不安をかき消すように、チャンスのときはその喜びがいっぱい広がるような応援をしようと心がけました。
ーー試合後、野球部からは何か言われましたか?
糸賀 はい。「本当に応援ありがとう、応援が届いてすごく力になった」と言ってくれました。
ーー高校球児に対してどんなイメージを持っていますか?
糸賀 最後の最後まで絶対に諦めないというイメージがあります。
阿部 糸賀さんは、野球部エースの大谷拓海くんと小・中学校が同じで、野球も大好きなんです。
右が部長の阿部莉子さん、左が副部長の糸賀茉尋さん。
入念な柔軟から練習はスタート。身体の柔らかさは、ケガ予防にも美しい演技にも欠かせない。
ーー読者のみなさんに、心に届く応援のコツを教えてもらえますか?
糸賀 できるだけ選手と同じ気持ちで戦いたいので、相手チームのことを調べてから応援するようにしています。次のバッターは打つからもっと声を出そうとか思えるから。
阿部 ピンチのときも、応援する側がダメかもって思ったらダメ。顔や声に不安が出てしまうので、どんなときも笑顔で元気に応援するといいと思います。
糸賀 すこしイヤな雰囲気になったりしても、全力で応援をし続けると、盛り返して点数がどんどん入ったりすることもありますよ!
ーー最後にチアリーディングの魅力を教えてください。
阿部 校外で演技をすると「感動した」と涙を流してくださる人もいます。人を勇気づけることで、自分たちも勇気づけられるところです。いいスポーツだなって思います。
糸賀 演技することでたくさんの人が笑顔になってくれるところ。ライバルとも高め合える関係が築けるところも好きです。