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【広陵】進化する名門、Instagramで「野球の楽しさ」発信

2023.7.25

甲子園出場回数は春26回(優勝3回、準優勝3回)、夏23回(準優勝4回)を誇り、100年以上の歴史を持つ広陵高校野球部。だが、そんな実績や歴史にあぐらをかくことなく、チームを30年以上率いる中井哲之監督は常に進化を模索している。
そんな中井監督に、今年の夏の大会のことや指導哲学などについて話を聞いた。


選手達が練習試合でも負けたくない理由

「今年の代は『練習試合で負けたらいけない』という思いが必要以上に強いんですよ」

そんな中井哲之監督のぼやきを受け、練習試合の戦績を聞くと「無敗」だという。昨年7月に新チームが発足して以来、取材日の6月22日まで広陵は1年間で一度も練習試合に負けていない。敗れたのは公式戦で、昨秋の明治神宮大会決勝(大阪桐蔭)と今春のセンバツ準決勝(山梨学院)のみということになる。

歴史的な戦績も、その顔ぶれを見れば納得できる。「ボンズ」の愛称で知られる超高校級スラッガー・真鍋慧。2年生とは思えない貫禄と総合力を誇るエース右腕・髙尾響。類まれなリーダーシップと攻守強打でチームを引っ張る小林隼翔。俊足好打で先陣を切るリードオフマンの田上夏衣。

控えにも、投手なら将来性がある左腕の倉重聡に、故障から復帰した速球派右腕の岡山勇斗、今春に台頭してきた亀岡温斗、侍ジャパンU-15代表だった1年生右腕の堀田昂佑。かの名手・井端弘和(元中日ほか)が、ワンプレーを見ただけで守備の資質を絶賛した池本真人も控える。



「全試合エースを使うわけじゃないし、ベンチ入りを目指す3年生にチャンスを与えることもします。でも、リードされていても最後にうっちゃって勝つんですよね。横浜とか明徳義塾とか強いチームとの試合が雨で流れたり、負けそうだった試合が同点で終わったり。夏に向けて負けておいたほうがラクなんですけどね」

今夏の広島大会でも、絶対的な優勝候補である。それでも、中井監督の口ぶりが緩まないのは、昨夏の「悪夢」が色濃く残っているからだろう。中井監督は「夏が怖くて仕方ないですよ」と言って、微笑を浮かべた。

昨夏の広島大会3回戦で、広陵は伏兵の英数学館に1対2で敗れている。9回二死二、三塁の一打逆転のチャンスでラストバッターに倒れたのは、主砲の真鍋だった。小林、田上、倉重ら試合に出場していた経験者も多く残っている。だからこそ、彼らは練習試合と言えども油断することなく、勝利にこだわっているのだろう。


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