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【八戸工大一】金渕光希|U-18代表候補に選ばれた左腕の現在地とこれから

2024.4.1

3月31日に発表された野球日本代表、侍ジャパンU-18代表候補選手。センバツ大会を沸かせた顔ぶれが並ぶ中、同大会未出場ならメンバーに選ばれた一人が八戸工大一(青森)の金渕光希投手。オフ期間中の取り組み、今後の目標などについて話を聞きました。


下半身が強くなり、重心がブレないフォームになってきた

――今年の青森県には洗平比呂投手(八戸学院光星)や関浩一郎投手(青森山田)など好投手揃いですが、ポテンシャルなら金渕投手がナンバーワンという声も聞きます。

金渕 ありがとうございます。でも自分はまだ甲子園にも出たことがありませんし、一冬越して技術的にも人間的にもひと回り成長したところを見せたいです。

――洗平投手は昨夏の青森大会決勝で投げ合い、同じ左腕のドラフト候補でもあります。金渕投手にとってどんな存在ですか?

金渕 同じ八戸地区にライバルがいることで、自分も「追いつきたい」と練習を頑張れます。自分のパフォーマンスを向上させてくれる存在なのかなと。

――口ぶりからすると、今は洗平投手のほうが上と見ているのでしょうか?

金渕 昨夏の甲子園でノースアジア大明桜(秋田)を完封した試合をテレビで見て、レベルの差があると感じました。コントロールがいいし、球威もあるし、変化球を低めに集められる。投手としてすべて揃っていて、ほぼ完璧に近いと感じます。

――とはいえ、金渕投手の指にかかったストレートには夢があると感じます。

金渕 投げていて「速い球がいったな」という感覚はあまりないんですけど、監督の長谷川(菊雄)先生からもよく言われます。「右バッターのインコースにいくフックボールが一番いい」と。
 
――金渕投手のここまでの歩みについてもお聞かせください。六戸町立七百中の軟式野球部時代から、近隣の強豪校の誘いを受ける存在だったようですね。

金渕 チームとしては県大会にもあまり出られず、そこまで強くはありませんでした。

――当時の最高球速は?

金渕 135キロです。

――左投手でそれだけ出ていたら、注目されるはずですね。八戸学院光星からも誘いがあったとか?

金渕 甲子園常連校なので、練習に耐えられるのか、ベンチに入れるのか不安があって……。それよりも甲子園にあまり出ていない高校で、強いチームを倒したい思いがありました。

――公立校に進む選択肢も視野に入れながら、最後に八戸工大一を選んだ理由は?

金渕 長谷川先生から熱心に誘っていただいて、「素質があるから」という言葉が刺さりました。投手を育てるのがうまい監督と聞いていましたし、将来のことを考えると八戸工大一でやるのが一番の近道だと感じました。

――種市篤暉投手(ロッテ)や黒田将矢投手(西武)など、数々の好投手を輩出していますからね。高校で技術的に伸びたのは、どんな部分ですか?

金渕 中学まではフォームを気にせず力任せに投げていたのですが、高校でトレーニングを積んで下半身が強くなり、重心がブレないフォームになってきました。あと長谷川先生にいつも言われていたのは、「腕の軌道で投げるコースが変わる」ということ。たとえば一塁側のコース(右打者の外角)なら、肩のラインでボールを離すとそのコースに行きやすい。逆に三塁側(右打者の内角)は自分の心臓付近(ほぼ体の中心)で離すと、いい感じでフックボールが投げられると。


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