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【桐蔭学園】選手の課題に応じたティーバッティングと投手の体幹トレーニング

2017.2.2

春夏合計11回の甲子園出場を誇り、神奈川屈指の名門である桐蔭学園野球部。前回(「多彩な引き出しを持つ大川監督ならではのバッティング練習」)お伝えした大川監督の多彩なバッティング練習の後編と投手の体幹トレーニングの様子をお届けします!

課題に応じた様々なティーバッティングに取り組む桐蔭学園野球部の選手たち


◆目次◆
選手の課題に合わせたティーバッティング
体幹を鍛える投手のトレーニングメニュー
地味な練習を飽きずにやる

選手の課題に合わせたティーバッティング

ケージの後ろではネットに向かってティーバッティングも行われていたが、よく見ているとただ打つだけでなく色々と変化をつけている選手がいることに気づいた。右手と左手のグリップを空けて打つ、歩きながら打つ、片手で打つ、グリップをヒザに当ててから打つなどである。

右手と左手のグリップを空けて打つ

グリップをヒザに当ててから打つ

「選手の現状を見ながら色々試す方法を伝えています。両手の間隔を空けるとヘッドが利かせやすくなりますし、歩きながらステップするとボールとの「間(ま)」がとれる。そういうバリエーションは多く示すようにしていますね」

また選手を集めて話していたことは「それぞれがどんなバッティング、どんな打者を目指すのか考えて打ちなさい」ということだった。
「体の大きさもパワーも違うのに全員が同じバッティングをしようとするんですよ。クリーンアップを打つような選手は遠くへ飛ばす打撃をすればいいんですけど、力のない選手が同じように打っても上手くいかないのは当然です。だからそれぞれ自分の目指すものや特長をしっかり考えなさいと言っています。そうしないとチームとして強くなりませんから」

選手に方向性を考えさせてそれぞれの現状に合った練習方法を示す。長く多くの選手を見てきた大川監督だからこそできる指導法と言えるだろう。

体幹を鍛える投手のトレーニング

この日、野手陣は打撃に多くの時間を使っていたが、その間投手陣はキャッチボールとスローイングのドリルの後、多くの時間をボールを使わないトレーニングに費やしていた。最初に行っていたのはメディシンボールを使ったランニング

姿勢にはいくつかのパターンがあるが、一貫しているのは体の軸と体幹を極力ぶらさないということ。リリースポイントを安定させるためには体幹の強さが必要不可欠であるということから、このランニングの効果は大きいという。

メディシンボールを使ったランニング

またその後にはロープのぼり、鉄棒にぶらさがりながら体を左右にひねるトレーニング、平行棒で自転車をこぐ動き、両手を使って長いロープを振るトレーニングを行い、体幹、下半身、肩甲骨周辺の強化を図っていた。いずれも野球部専用のトレーニング器具ではないとのことだが、ラグビー部や柔道部など他の部も全国レベルにある桐蔭学園ならではの強みと言えるだろう。

鉄棒にぶらさがりながら体を左右にひねるトレーニング

両手を使って長いロープを振るトレーニング

地味な練習を飽きずにやる

「今年のチームのテーマは“根気強く、手を抜かずに、丁寧にやり切る”ことです」と語る大川監督。長い指導者生活で色々と考えることも多いというが、この時期は特に土台を作ることを重要視しているそうだ。

「同じことを続けていると『これでいいのかな?』と思うこともあるんですよ。でもやっぱりこの時期は地味な練習を飽きずにやるということが大事だと思います。昨日は守備の日でしたが、捕球する練習を繰り返しやっています。選手にも言っていますが急には上手くなりません。特別なことはやっていませんが、決めたことを地道にやる、というのは意識しています」
地味な練習を飽きずにやる。実はそれが一番難しいことなのかもしれない。そう考えさせられる桐蔭学園の練習だった。(取材・文・写真:西尾典文)

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