甲子園は通過点
取材後、岡山大会の組み合わせ抽選会が開かれ、おかやま山陽の初戦は7月14日、倉敷と岡山御津の勝者との対戦が決まった。とくに倉敷は堤監督が「好投手がいる」と警戒していたチームである。初戦から侮れない戦いになりそうだ。
そして、おかやま山陽が目指すものは甲子園だけではない。おかやま山陽の学校ホームページには、「野球部ステートメント・宣言」としてこんな一文が載ってる。
〈大好きな野球を通じて出会う人や経験を生かし、将来、プロ野球選手になる、指導者になる、スポーツメーカーで働く、商社マンで海外に行く、父親として自分の子供に教えるなど、形は変われど、国内外にいながら世界の野球の普及に貢献できる人材を育成します〉
昨年はプロ野球界に進んだOBの藤井皓哉(ソフトバンク)が大ブレーク。そんな藤井も、今オフには中古の野球道具を携えて外国に渡る計画があるという。他にも複数の野球部OBが海外青年協力隊に応募し、野球普及のために活動している。
堤監督は「甲子園は通過点」と語る。
「学歴では勝負できなくても、生徒には『なんぼでも変われるよ』と伝えています。OBにはラーメン屋のフリーターから海外に渡り、語学力を生かしてNPB球団のスカウトに内定した子だっています。何に対しても引け目を感じることなく、勝負してほしい。甲子園はそのための通過点に過ぎません」
この夏、おかやま山陽は甲子園にたどり着けるのか、それとも。いずれにしても、その戦いぶりには、壮大なスケールのロマンが詰まっている。(取材・文・写真:菊地高弘)
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