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【東北野球がアツい!】金足農|金足旋風3つの理由

2019.2.25

甲子園は強豪私学だけが勝ち残る場所ではない。そのことを証明してくれたのが昨夏の金足農だったのではないだろうか。中学時代無名だった選手でも、公立校でも、奇跡を起こすことはできる。ルーツとなる3つの力を検証した。


理由1|県野球強化プロジェクト

県勢が夏の甲子園で13年連続初戦敗退を喫した翌年の2011年。県教育委と県高野連の呼びかけで「秋田県高校野球強化プロジェクト」が発足した。中京大中京・大藤敏行監督(当時)を始め、前田正治氏(元日本新薬監督)、清水隆一氏(元熊谷組)、関口勝己氏(元NTT関東)ら数多くの野球指導者を定期的に秋田に招き、県内の高校に技術指導。球の回転数や動作解析など科学的な分析も行った。スポーツ庁の調査によると、秋田の小5男女の体力運動能力の数値は全国3位。もともと身体能力が高く、バスケットやラグビーも盛んな「スポーツ王国秋田」の子供を伸ばす試みが8年かけて結実した一例となった。

理由2|確実性を極めたバント攻撃

夏の大会で記録した犠打飛数は「23」。2位の17(済美高校)を大きく上回るバント攻撃を金足農は貫いた。嶋崎監督時代からの伝統を引き継ぐ中泉監督は「確実に走者を進めて泥臭く1点を取りにくのが金農野球。バント、スクイズの練習は欠かさずやっています」と自負する。近年の甲子園は「打ち勝つ野球」が主流。だが初戦・鹿児島実業高校戦の先制点も、バントを絡め得点した。名場面となった近江高校戦の「大会史上初の2ランスクイズでの逆転サヨナラ勝ち」は想像以上の結末だったが、中泉監督はあの場面、スクイズ成功を確信させた9番斎藤璃玖(3年)の信頼性と、これまでの取り組みを評価していた。

理由3|吉田輝星投手の存在

失速せずに浮き上がってくる豪速球と、クレバーな投球術で甲子園を魅了した吉田投手。

エース吉田輝星(3年)の怪腕がチームを勝利に導いた。それに尽きる。中泉監督は「失点が計算できるから、バントで1点をもぎ取る野球ができた」と回想する。6試合50イニング881球を投げ抜く心と体のスタミナ。150キロを超える豪速球。中学時代、吉田投手が仲間に「金農に行かない?」と声をかけたところから物語は始まった。船木主将は「吉田さんは有言実行の人。ランメニューは常に1位を獲り続けていました。ドラフトで1位指名されたあとも『まだまだ』と言って毎日練習にも出てきた。人間的にも尊敬できる人です」。実力、人間性ともに他の見本となる選手だった。

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