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【​樟南高校】基本を見失いミスが重なった

2016.5.14

勝利を確信した魔の6回に突如足元をすくわれる。大事に行こうとしたところが裏目にでた。
この日の試合を振り返り、強化している練習法を山之口和也監督に尋ねた。

今年は好守備からリズムをつかんで攻撃につなげる。


「野球の基礎を見直し、ひたすら反復練習」


中盤まで試合をリード。基本を見失い終盤に逆転される

 序盤は選手の集中力も非常に高かった。初回に四番河野勝丸の2ランで先制すると、2回にもエース浜屋将太の犠牲フライで追加点を挙げるなど、効率の良い点の取り方。6回表の攻撃前までセンバツに行けるという雰囲気がベンチには漂っていた。
 「6回の前にはグラウンド整備のため休憩を挟みます。実はこれが調子がよい投手にとって一番怖い時間。3点もリードしていたため、勝ちを意識しすぎたようです」。
 エースの浜屋は、変化球をうまく使いながら相手打線をかわし、5回まではこの秋一番の出来だった。そんな浜屋が6回表に突如崩れる。
 「浜屋が連続四死球を出すんです。その後はセカンドが悪送球するなど、ミスが立て続けに重なりました。なんとか同点で食い止めることができましたが、大きく流れが変わった回でした。浜屋は後半も腕を振って思い切り投げればよかったんですが、8回表には置きにいったチェンジアップをスタンドに運ばれました」。この一戦を振り返り、キャッチボールや基礎体力の強化など、野球の基礎を改めて見直し、反復練習に励んでいる。

[戦評]6回表、好投を続けていた樟南のエース浜屋将太が崩れ、日南学園が一気に同
点に追いつくと、8回表には6番石嶋友翔が勝ち越しのソロアーチを放ち逆転。9回裏
に樟南は2死一・三塁と攻めたが、相手のエース森山弦暉を打ち崩せず敗戦を喫した。






夏に勝つために!強化した練習法
野球の基本中の基本である「基礎体力の強化」と「キャッチボール」。この時期だからこそ強化できる
走り込みと、鹿児島という暖かい気候を生かしたボールを使った練習に励んでいる。

1 心肺機能&精神的強化のために
基礎体力の向上

 例年以上に走ることを心がけている。「例えばグランドを10周走る場合は、最初は持久力をつける目的で走らせますが、次はそのタイムを縮めるために走らせます。今度は短距離を早く走らせて瞬発力も鍛えるなど、毎日同じことはさせません」。グラウンド外で事故があってはいけないのでロードワークは一切させていない。
 「チームが一丸となり足並みをそろえて長距離を走ることも大切で、繰り返し行うことで一体感も生まれるんです」。基礎体力の向上は精神的な強化にもつながっているようだ。

2 基本中の基本を見直す
丁寧なキャッチボール

 鹿児島の冬は暖かく、毎日ボールを使って外のグランドで練習ができる。
 「日南学園戦でのセカンドの送球ミスは、普段行っているキャッチボールから大きく外れた形。投げ手はもちろん、受け手もボールを呼びこむようにしてキャッチするなど、キャッチボールという野球の基本に立ち返り、丁寧に放る、受ける練習を毎日やっています」。
 ボールを低く放る、低く呼び込む、それを繰り返し基本に立ち返っている。「これから実践を重ねていく中でさらに基礎能力を高めていきたいです。




School Data
​樟南高校(鹿児島県)
●監督/山之口和也 ●部長/我那覇悟志
●部員数/3年生25人、2年生21人、マネージャー1人
1883年に学校創立。夏の甲子園に18回(最高戦績は94年に準優勝)、
春の甲子園に7回(最高戦績93年ベスト8)出場。
2015年の九州地区秋季大会は準々決勝敗退。



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