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擦り傷で起こる蜂窩織炎(ほうかしきえん)を知っておこう

2016.5.16
  小さな傷口でも細菌が侵入すると化膿して痛みを引き起こすことがある。特に深爪には注意しよう。


 スポーツをする上でケガは避けては通れないものではありますが、野球は他の競技に比べて人との接触が少ない競技(ノンコンタクトスポーツ)であるといわれています。しかし他人との接触は少ないものの、スライディングやデッドボールなど人との接触以外で起こる急性期のケガはよく見られます。膝をすりむいた程度であれば、そのままプレーを続けることも多いと思いますが、実はこうした擦過傷(擦り傷)をそのまま放置しておくと、そこから細菌が入って患部付近が腫れてしまうことがあります。蜂窩織炎(ほうかしきえん)は傷口や毛穴、小さな傷などから細菌が侵入することによって起こる化膿性炎症です。柔道での畳での擦り傷や素足で競技する力士などにはよくみられる症状です。

 擦過傷への対応としては患部を流水でよく流し、必要に応じてガーゼなどの保護材を使用して患部を清潔に保つことが求められます。はじめは虫刺されのように小さな刺し傷と腫れが見られる程度のことが多く、虫刺されと間違いやすいのですが、患部に熱感があったり、リンパ節の腫れがみられたり、体全体も何となくだるさを感じるような場合は早めに医療機関を受診することが大切です。膝をすりむいた場合、膝そのものというよりも膝より上の大腿部が赤く腫れ上がり、股関節の付け根付近(リンパ節)に痛みを感じることもあります。体温を計ってみると37℃を超えていることもしばしばです。

 軽度であれば抗生物質などを服用することで、症状は軽快することが多いのですが、程度がひどい場合は医療機関で点滴を行うこともあります。さらに程度がひどくなると入院を余儀なくされることもあるので注意が必要です。野球の場合、擦り傷によるものが多いのですが、深爪をしてしまった指先や足の巻き爪などでもこうした炎症症状を引き起こすことがあります。小さな傷口などでもそこから細菌が入ってしまうことで起こる可能性がありますので、汗をかいたままの状態や清潔ではない状態を長く放置しないことが大切です。


  



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