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【上田西】吉崎琢朗監督|技術だけ教えようとしてもチームは強くならない

2024.2.10

迷った時に消極的になると大体上手くいかない



——監督に就任されたのが2019年の12月で、翌2020年はコロナでいきなり大変だったと思いますけど、その時に苦労したこととかはありましたか?


吉崎 本当に監督になりたてのタイミングでしたから、僕も選手もショックは大きかったですね。決まった時は登校もできなくて、オンラインで伝えることもできたんですけど、甲子園中止発表の10日後くらいに集まるタイミングがあったので、そこで直接話すとだけ伝えました。集まったタイミングではまだ代替大会も決まってなかったですし、切り替えてということも言えず、まだ何かしらあるかもしれないからそのために準備をしようという話はしましたね。
2年目はセンバツに出た後にコロナにかかった子もいて、3年目も夏にメンバーのほとんどがかかったりして、かなりコロナには振り回されました。これに関してはどうしたら良かったのかとかは正直分からないですね。

ーー他の監督さんにうかがうと、大事な試合での采配などでも悔やまれることがあるとお話される方も多いですが、試合での失敗や後悔で思い浮かぶことはありますか?

吉崎 それはたくさんありますね。迷った時に消極的になると大体上手くいかないことが多いような気がします。去年夏の甲子園の土浦日大さんとの試合(延長10回タイブレークで3対8で敗戦)は、1回と9回ですよね。1回にチャンスでまず点がとれなくて、その後に先制されました。何とか同点に追いついて7回と9回が得点圏でピッチャーに回ってきたんですね。打撃は全くバットにも当たらないような選手なんですけど、7回は先を考えて降ろせないなと思ってそのまま打たせてやはり三振でした。
9回も10回からタイブレークなので迷ったんですけど、代打を出して勝負に出た。そのことは良かったと思うんですけど、代打に送った選手に「思い切って行け」とだけしか言わなかったんですね。そうしたらちょっと力入れて振り過ぎちゃってファーストフライでした。ミート力のある子だったので、もう少し技術的なことを言っても良かったのかなと後になって思いましたね。

ーー10回からの継投になって敗れ、勝った土浦日大はその後ベスト4まで勝ち進んだので余計悔しい気持ちもあったんじゃないですか?

吉崎 いえ、うちはそんな力はなかったと思います。ただタイブレークは大事だなとは改めて思ったので、特に守備に関しては新チームでも練習するようにしました。結果として秋の大会でタイブレークではなかったんですけど、ピンチの場面で練習してきたシフトが上手くいって、0点で抑えられたこともあったので、それは甲子園の経験が生かされているかなと思います。

後編では春、夏に向けてこのシーズンオフ期間に取り組んでいることについてお届けします。(取材/西尾典文/写真:編集部)

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